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信頼はトレーニング
2005年01月05日
私が学生の頃は、よく忠犬ハチ公の前で人と待ち合わせをしました。ほかには東京駅の銀の鈴とか、銀座のソニービルの前。
待ち合わせというのは、今思えば結構ドキドキするものでした。私は時間にうるさい方でしたから5分ぐらい前に行って待つ方なのですが、待っている間というのは、いろいろなことを思うものです。
時間になっても相手が来なかったりすると、5分ぐらいはいいのですが、10分、15分となるといたたまれなくなります。
やがて申し訳なさそうな顔をしてやってくる友達を、つい怒ってしまうのは、心配して心が固まったのがとけて、甘えたいような気持ちだったんでしょうか?
最近は、待ち合わせに遅れたって大丈夫です。携帯電話がありますから。
「ごめん、ごめん、あと5分でつくからね」
「今どこ?」
「渋谷だよ」
なんてね。携帯電話ができて、とても便利になりました。ほとんどの人が持っていて、今やメールまで使えるようになりました。
でもですね、携帯電話のせいかどうかはわかりませんが、待ち合わせで、相手は本当に来るんだろうかと気をもみながらも、「きっと来るに違いない」という相手を「信じる」気持ちは失われたように思います。
人を信用するのは能力です。相手が信用できる人間かどうかを見分けるのも能力なら、来ると信じるのも能力なんです。
だまされないことは大事ですが、信じるのも大事です。確かに期待を裏切られることが多く、夢も色あせる毎日です。
しかし、人を信じる練習をしなければ、人とチームを組んで何かを実現するという醍醐味を味わうこともないでしょう。
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