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会社のアンチエイジング

会社のアンチエイジング | Hello, Coaching!
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アンチエイジング(抗加齢)医学が注目されています。日本でも数年前に学会が創設され、会員数は、現在では3,000人を超えました。

アンチエイジングという視点から医療を考えると、これまでの予防医学とはまた違った可能性が見えてきます。

中でも興味深いのは、アンチエイジング医学では、これまで仕方のないものと思われていた「老化」に介入し、老化を遅らせることができることを証明し始めている点にあります。身体の酸化を抑える、重金属を排出させる、栄養バランスを取る、ホルモンの補充など、さまざまな試みがなされています。単に気分だけではなく、生物学的に若返ることが可能になりつつあるのです。

人間の老化は加齢に比例すると思われていますが、実は生活態度によって加齢のスピードはコントロールでき、生活態度によって「成長」または「老化=衰え」のスイッチが入ることがわかっています。

例えば、ずっと椅子に座り続けたり、一日中ずっと横になってテレビを観て、ポテトチップスを食べていると、脳は「もう、特にがんばって生きなくていい状態になったらしい」と判断する。同時に衰えのスイッチが入ってしまう。

一方、適度な運動をし、心拍数を(220 - 年齢)×0.7~0.8に一定時間上げると、成長のスイッチが入る。運動することで、成長ホルモン、抗酸化物質など、老化を止める働きが促されるわけです。そのメカニズムはある程度解明されています。生活態度は脳と身体にシグナルを送っているわけです。

さて、生活態度によって「成長」「衰え」のスイッチが入るのであれば、会社も生き物ですから、同じようにシグナルが送られています。

以下は、「どんな時に会社の老化、衰えを感じますか?」というリサーチに対する答えの一部です。「老化のシグナルを送る言葉」として、以下が挙がりました。

・どうせ
・こんなもの
・結局
・やっぱり
・無駄
・普通は
・言っても無駄
・わかってる
・まあまあ
・今までは
・ほどほどに
・そこそこに
・○○らしいよ
・○○はこう言っているよ
・一般的に

要するに、一般論、普遍化、合理化、正当化が多すぎるのです。

「老化を促す行為や態度」としては、次のようなものが挙がっています。

・問題の原因を探し続ける
・全員に同意させるために力を使う
・Eメールばかりが仕事
・人に問題解決のために話させる
・間違った評価システム
・評価について話す時間がない
・会議でたくさん話す人が評価される
・ゴシップ
・行動しない
など、組織の老化、衰えを感じさせるものが多く挙がっています。

一方、活性化させ、成長させる言葉や態度もあります。

・やってみよう
・一緒にやろう
・どうやったらうまくいく?
・これをうまくいかせられるのは誰?
・他にどんな考えがある?
・いつ始めよう?
・いつまでに終わらせよう?
・うまく行ったら、次は何をやろうか?

どんな言葉や態度を選んでいるか、それによって会社の「衰え」、「成長」の状態を見ることができます。もちろん言葉や態度だけではありませんが、いずれにしても、あるシグナルが発信され、それが「衰え」や「成長」のスイッチを入れています。

実際の創業年数や、社員の平均年齢とは関係なく、そこで発信されているシグナルによって、会社は若返ったり老化したりしています。

リサーチによれば、若さは、組織内におけるスピード、表現の自由、感受性、関係性の4つの点に表れます。

「会社を若返らせる、成長のモードに入れる」

この視点こそ、マネージャーや経営者に求められる視点ではないかと思います。

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