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マネージャーの悩み

マネージャーの悩み | Hello, Coaching!
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私にはAさんという部下がいます。入社2年目。32歳の男性。とても前向きで優秀。特に実行力が抜群で、それを評価してマネージャーに抜擢しました。ひとつのチームを任せたのです。

ところが、チームの様子を見ていると、なんとなく部下の顔色が冴えない。

360度フィードバック(多面評価)を実施してみると、部下からの評価が案の定、低い。彼もそれを気にして、自ら私にコーチを依頼してきました。

「部下とのコミュニケーションをテーマにコーチをして欲しい」

こうして、月に2回のコーチングが始まりました。


半期ごとにマネージャーが部下に行う目標面談でのことです。彼との面談を終えて部屋から出てきた部下の目が少し潤んでいる。

「泣いてたの?」

彼女は否定しましたが、私はそれが気になり、別のマネージャーに様子を聞いてもらうことにしました。 すると、面談の中で、彼から詰められた模様。それどころか、日常的に否定されているように感じているらしい。話を聞く限り、部下である彼女のモチべーションは明らかに下がっている。

部下にも上司にもそれぞれの言い分があるでしょうが、モチベーションを下げたという結果だけを見れば、上司のあり方として、うまくいっているとは到底言えません。 どのような意図をもって彼女と接しているのか、彼自身からも話を聞くことにしました。

「私は彼女に期待していて、早く成果をあげて欲しいと思っています。彼女を応援したいという気持ちであって、否定する気持ちは全然無いんです」

相手の反応が、自分のコミュニケーションの結果である。これはコーチングの基本的な考え方のひとつです。両者がこの考え方に立つことができれば、コミュニケーションで起こる問題はほとんど解決するに違いありません。

相手の反応を引き起こした原因となる自分のコミュニケーションがわかっていれば、それは自分でコントロールすることができます。意識的にきつい言い方をしたことで、相手が萎縮したのであれば、これは改善できる。ところが、自分のコミュニケーションの何が影響したのかを自覚できないと、それを改善するのは難しくなります。

次のコーチングセッションで、私は彼に質問しました。

「どうやったら、自分のコミュニケーションを自覚できるようになると思いますか?」
「自分ではかなり意識しているつもりなんですが、今回もこのようなことが起こることを考えると、結局自分ではわからないんではないかと思っています」
「どうしたらいいと思う?」
「相手から、その場で直接教えてもらわない限り、自分では気づくことができないのではないでしょうか。チームのメンバーに頼んで、自分のコミュニケーションの改善のために協力してもらおうと思います」

これからも、彼とのコーチングは続いていきます。


マネジメントとは、すなわちコミュニケーションだと言っても過言ではありません。

コミュニケーションをコーチするときのポイントは、本人のコミュニケーションのスキルそのものを扱うだけでなく、本人と本人を取り巻く人々との関係性に目を向けることです。

もし、その人たちを協力者にすることができれば、本人はもとより、その組織全体の生産性にまで、成果を及ぼすことが可能になるでしょう。

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