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大爆発を止める

大爆発を止める | Hello, Coaching!
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先日、ある大手企業の部長さんのコーチングをしていました。

大変仕事のできる人ですが、本人曰く、時折「大爆発」を起こします。どんな時に「大爆発」を起こすのかと聞くと、「部下が約束した期限を守らないとき」だと。守らないのに加えて言い訳などしようものなら、フロア全体に「バカヤロー!」が大音量で響き渡るそうです。

部長は、困った顔をしながら言いました。
「これはもう『脊髄反射』なんだよね。自分では止めようがないよ」

部長に聞いてみました。
「そうは言っても、その状態に『入れる』のは他でもない部長自身ですよね。だとすると、どうやって『脊髄反射』が起こる状態に自分を追い込むんですか? プロ野球の中継とかで『スーパースロービデオ』って使いますよね。あんな感じで振り返るとどうですか? 外側から見える部長の様子、内側で起こっていること」

部長は、最初は合点がいかないという風でしたが、スーパースローで一緒に振り返っていくと、二度三度「ああ、そうそう、そうなっちゃうんだよな」と声を漏らしました。

どうも、期限を守らなかった部下を前にすると、以下のようなことが順番に起こるようです。

1. まず、「許せない」というセリフが自分の中でささやかれる。
2. そうすると、視野が急に狭くなり、目の前の部下がクローズアップされ、他の誰も見えなくなる。
3. 胸の辺りが圧迫され「息が詰まる」
4. 大爆発!

納得のいくフローです。

部長に話しました。
「どうも『許せない』という内側のセリフが、大爆発を起こすためのスイッチになっているみたいですね。そのスイッチが入ると、次から次へと発火が起こって、最終的に大爆発となる。だとすると、そのスイッチが入らないようにすればいいですよね。ちなみに、誰か部長と関係のある人が約束を破っても、大爆発が起きないケースってあります?」

しばらく考えた末、部長が言いました。
「そういえば、小3になる息子が約束を破ったときはスイッチ入らないな」
「どうなるんですか?」
「まず最初に、『何があったんだろう?』って思うよね。その後に、息子が部屋や、教室にいるときの様子がなんとなく浮かぶわけ。背景を想像するんだろうな。で、わりと落ち着いた口調で、『どうしたの?』って聞いてる」
「であれば、ひとつ提案なんですが、次に部下が『期限を守れませんでした』と言って来た時、『許せない』と内側でささやくのではなくて、意識して『何があったんだろう?』って言ってみるのはどうでしょう? 大爆発ではなく、相手の背景を知ろうとするスイッチがオンになるでしょうから」

さて、2週間後、部長が報告してくれました。
「鈴木さん、なんとこの2週間、大爆発ゼロだよ、ゼロ。不思議だね~。『何があったんだろう?』って言ってみると、なんか相手が育てなければいけない子供のように一瞬見えるんだよね。そうすると、『バカヤロー!』ではなくて『どうしたんだ?』っていうセリフが出てくる」

もし、今みなさんがどうしても変えたい「刺激」に対する「反応」があるとします。そうしたら、まず、その「反応」が「起こる」と捉えるのではなく、まさに自らが「作り出している」というスタンスに立って、どのようにそのスイッチを入れているかを振り返ります。

次に、同様の刺激に対して「好ましい反応」を作り出しているときは、どんな別のスイッチを使っているかを明らかにします。そして、最後に、好ましい反応のスイッチを、変えたい「刺激反応チェーン」の第一ステップとしてインストールします。

さて、結果は?

ぜひ、お時間があるときにセルフコーチング、試してみてください。

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