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チームそのものが、ひとつのシステムである
コピーしました コピーに失敗しました人材育成に関係する国際会議でよく取り上げられるテーマに、チームワークやリーダーシップに関するものがあります。
先週、米国カリフォルニア州サンディエゴで開催されたASTD 2008(人材開発国際会議)に参加し、チームやリーダーに関する定義が、少しづつ変化しているように感じました。
これまでは、「強いリーダーのもと、強固なチームを作る」というのが、いわゆる有益な人材育成のテーマでした。
今回参加して、リーダーシップとは、「一人の強力なキャラクター」ではなく、リーダーシップを発揮する一人ひとりの人材を育てる」こと、また、チームワークも、これまでアメリカで主流だった「集団の中で、一人ひとりが実力を発揮する」という個人型から「チームそのものが、ひとつのシステムである」という集団型に考え方が変化している様子を見ることができました。
ひとりの指示命令系の発言で多数を動かすのではなく、人と人との関わり、インタラクティブ性を持ちながら全体の中で動いていくことを重視するこのトレンドは、とても日本的であると感じます。
ASTDでは「チームコーチング」に関する分科会に参加しましたが、この分科会で、講師から参加者に投げかけられた最初の質問は、次のようなものでした。
「あなたが所属しているチームを思い浮かべてください。そのチームが本来持っているポテンシャル(可能性)の何パーセントが発揮されていますか?」
そして、その可能性を発揮していないとしたら、そのキーポイントは、明確な目的意識とそれに向けられた日常的な継続的な会話にあると定義し、その鍵は、コーチング・カンバセーションにあると伝えていました。
日本では、比較的あたり前に行われていることがこのように海外の視点から改めて見ることができると、日本的なチームワークやチームとの関わりの有効性に改めて気づくことができ、勇気づけられます。
分科会では、次の問いかけを残してくれました。
「最大のパフォーマンスを発揮したときのチームの特徴とは? その中でのあなたの役割は?」
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