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ツイッターが教えてくれた、会話の視点の増やし方
コピーしました コピーに失敗しました昨年の12月、携帯をiPhone(アイフォン)に代えたのを機に、ツイッターに関心を持ちました。
ツイッターとは、インターネット上で140文字以内のメッセージを気軽に送れるコミュニケーション・サービスで、私の周りでも始める人が増えています。
さっそく、未知の海に飛び込むつもりで、すでに始めている人たちのメッセージを読み始めたのですが、みな、気の利いたことを短いセンテンスで書いている。「なら、私も!」と真似して気の利いたことを書こうとするのですが、自分の考えていることを人目にさらすのかと思うと、恥ずかしい気持ちでいっぱいに......。とにかく、見よう見まねで日常の場面を書いてみたら、「今、ハンバーガーを食べています」などという、本当にどうしようもないコメントしか浮かばず、意気消沈してしまいました。
そこで、アメリカにいる知り合いのコーチや、その人たちの知り合いを手当たり次第フォローすることに。多くの知り合いを発見し、びっくりするとともに、人材育成やリーダーシップに関するコンテンツの豊富さにも驚かされました。
その中に、コーチ・トゥエンティワンが後援している日本コーチ協会の第1回コーチ大会で来日した、マーシャ・レノルズさんのつぶやきを見つけました。彼女はプロのコーチであり、自己表現やEQのスペシャリストでありながら、当時国際コーチング連盟の理事長を務めていた方です。1999年の大会のスピーカーとして招待して以来、何回か日本向けに電話会議による講演をしていただいたこともあります。
マーシャのメッセージを読んでいると、「面白いな、興味深いな」と思う機会が多く、その情報をすぐに他の人に伝えたくなります。そして、それはなぜだろうと考えてみたところ、どうやらその背景には、彼女の中に「分かち合いの精神」があるからではないか、ということに気がつきました。
彼女は自分が気の利いたコメントを書くというより、「これを読んだ人は、フォロワー(自身とつながりのある人たち)に教えたくなるに違いない」と関心を持ちそうなものを選んで書いているのです。
彼女はツイッターを通じて、自分に関わる相手と、さらにその人の向こうにいる人まで見越して関わってくれているように感じます。
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このスタンスは、コーチングにも十分応用ができます。
コーチするとき、時折起こりがちなのは「あなたはどうしますか?」「あなたは何をしたいのですか?」という会話を続けてしまい、コーチ、クライアントとの間で行き詰ってしまうことです。
でも、「あなたは部下にどのような影響を与えたいですか?」「あなたは上司からどのように見られていますか?」と二人だけの関係から視点をさらに先に向けると、まだまだ探求するものがたくさんあることに気づきます。目の前にいる人だけでなく、さらにその先にいる人たちに関心を持って関わる。
「自分のメッセージが読めるフォロワーだけでなく、さらにその方がつながっているフォロワーたちにもシェアしたいのは、どんな情報だろう?」
そう思ったら、少しツイートもしやすくなりました。
ちなみに、私がツイッターで知ったものの中で、今一番気に入っているのはこの映像です。
楽しさは人の行動を変える―ピアノの階段
http://www.youtube.com/watch?v=2lXh2n0aPyw&feature=player_embedded
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