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PMIにはコーチング

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コーチ・エィのNYオフィスでは、「PMIにおけるコーチング」を扱うことが増えてきています。

PMI(Post Merger Integration:企業買収後の統合)には、従来コーチングが適用されることはほとんどありませんでした。

一般的に企業買収といえば、買収完了までに多大なヒト・モノ・カネが費やされるにも関わらず、以降はそこまでの経営資源、まして外部のプロフェッショナルが投入されることは非常にまれなことだったからです。

しかし、その後の経過を追ってみると、貴重な事業資金が投入されていながら、それに見合ったリターンが得られているケースはほとんどないというのが実情のようです。

にもかかわらず、昨今の円高基調の経済を受けて日本企業の対米投資件数はまた急速に増加していますから、放っておくと「成功率」は低下傾向になります。

ここのところニュースを賑わせている中国での賃金上昇と反日感情の高まりを考えると、安定した投資先としてのアメリカが再度復権することも十分ありえます。

「対米投資をどう確実に成功させるか?」は今後の大きな経営課題と言えるでしょう。

ところで、クロスボーダーM&Aがうまくいかなかった理由の多くは、投資先がどこの国かなどよりも、等しく「人に起因するもの」なのではないかと私たちは考えています。

つまり、買収の成功・失敗を判断する増収増益・コストカット・新製品の開発・販売チャネルの獲得といった「買収後に想定した事業シナジー」はそう容易に実現するものではなく、それを阻む要因はほとんどの場合、

「買収企業側のリーダーシップ不足」
「出向者のリーダーシップ不足」
「被買収企業へのコミュニケーション不足」
「両社経営陣のチームビルディング不足」

という、普段私たちがエグゼクティブ・コーチングでテーマにしていることがそのまま当てはまるのではないか、と。

逆に言えば、通常のエグゼクティブ・コーチングにおけるテーマを扱っておくことは、買収前の企業が備える上でも、あるいは買収後の企業が投資を保全する意味でも非常に効果的だということでもあり、これがコーチングの導入が全般的に進んでいる背景だと思われます。

クライアント企業とPMI案件でご一緒させていただくケースには何通りかあります。

既にお付き合いのある企業がM&Aを行った場合もあれば、かなり状況が深刻になってからお声掛けをいただくケースもあります。

最も効果的かつコストがかからないのは、デューデリジェンス(買収前企業価値評価)の段階からパートナーシップを組み、企業カルチャーや人事制度について、綿密に情報収集しながらPMIに関わるケースです。

この買収前のフェーズから、

「誰が(特に売り上げ、コストダウンの)キーマンになるのか?」
「買収先の組織構造、マネージメントスタイルはどのようなものか?」
「買収先の社員間のコミュニケーションスタイルにはどんな特徴があるのか?」
「働くモチベーションの源泉は何か?」
「人はどのようにその組織で育てられているのか?」
「どんな評価体系がとられていて、みんなはそれをどう思っているのか?」

といったことを掴み、きちんと対処できるシナリオがある企業ほど、スムーズに進むようです。

例えば、現地企業を買収したばかりの日系企業トップのクライアントには、私とブロードウェイでの俳優経験をもつ弊社の米国人コーチでペアを組み、エグゼクティブ・コーチングをさせて頂きました。

「買収先の企業の社員を前に、英語でインパクトあるプレゼンテーションをする」をテーマに、

「ご自身は買収先企業からどのように見えているか?」
「ボトムアップを大事にしている買収先企業の社員集会では、何をどう伝えていくのか?」

というPMIでのプレゼンスマネジメントの取り組みに加え、話し方、スライドの使い方、質問の受け方といった実践的なセッションも行いました。

他には、買収先企業で創業以来「番頭」として働いてきた古株の方をどのように仲間に引き入れていくか、そのために日本から派遣されている人は何をすべきなのか? などのテーマを扱うケースもあります。

PMIは、変化が起きた場面だからでしょうか、あるいは感情がむき出しになりやすいからでしょうか。効果や反応がビビッドに表れるため、コーチとして非常にやりがいを感じています。

我々エグゼクティブコーチとしては、企業の重要な戦略オプションであるPMIにコーチングが機能し、貴重な投資がフルに活用され、海外市場で勝負に出る日本企業の競争力が上がっていく。

そんなところに今後もっと貢献できたら、本当に誇らしいことだと感じています。

PMIコーチングの可能性はまだまだ拡がっていきそうですので、機会があればまた事例をご紹介させていただきたいと思います。

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