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いつもと違う「今年の抱負」の見つけ方

いつもと違う「今年の抱負」の見つけ方
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今年1年の抱負を考えるタイミングです。

一層の飛躍に向けて、

「さて、今年は、何をしようか」

と、自問自答することから始めている方も多いのではないでしょうか。

早速ですが、「少し冒険的なゴールを考えたい」と思っている方に、私からひとつ提案があります。

いつもと違うゴールをみつける方法

冒険的で創造的な抱負を見出したいとき、「敢えて他人に考えてもらう」というのはどうでしょうか?

受け身になりましょう、ということではありません。むしろ、その逆です。

他人は、自分よりも挑戦的なことを語る可能性があるようです。それを能動的に聞くことができれば、私たちはより冒険的になれる、ということです。

まず、少しだけ、昔のことを思い出してみましょう。

これまでで、最も自分を大きく成長させた機会は、いつでしたか?
その機会は、どのように手にしましたか?

私の場合、「エンジニアからの転身」でした。

エンジニアとしての夢を抱いて入社した会社で仕事をエンジョイしていたある日、突然、スタッフ部門に異動することになりました。

「びっくりしただろう?
正直、僕も迷ったが、
君の将来に良いと思って提案したんだ」

自分としては、想定外の異動でした。しかも、それが自分を最も頼りにしてくれていたはずの上司の提案だったと知り、頭の後ろから背中にかけて、血の気が一気に引きました。

この「上司からの冒険的な提案」は、結果としてエグゼクティブコーチという今の仕事の伏線にもなりました。

今となっては、その上司には、私よりも観えているものがあったんだな、と思えます。

「私は何をしたいのか?」

を、自らに100回問うたとしても、決して思いつくことのないことでした。

皆さんにも、そういう経験はありませんか?
自分を大きく成長させたきっかけは何でしたか?
その機会は、誰の一言によってもたらされましたか?

自分のための選択 vs. 他人のための選択

人は「他人の代わりだと、よりクリエイティブになる」のだそうです。(※)

「自分のために選択を行う」プロセスと「他人のために選択を行う」プロセスでは、違った頭の使い方をするのです。

他人の問題について考えるときには、インスピレーションに頼り、ジャッジや後悔をすることも考えすぎることもなく、様々なアイデアを次々と想起できるそうです。

また、他人のために決断を下すときは、「冒険的なマインドセット」と呼ばれる心の状態になり、「斬新さ」を優先し「実行可能か」よりも「多くの選択肢」があることを魅力的だと考えるのです。

一方、自分のために決断を下すときは、「慎重なマインドセット」と呼ばれる心の状態が作用し、より細かいレベルに焦点を当て、些細な点に目をつけ、より細かな視点で検証しようするのだそうです。

こうしたことから、冒険的でクリエイティブなアイデアを望むときには、他人の提案は聞くに値するのではないでしょうか。

「私は何をしたいのか?」

そういう自問自答に固執せず、少しだけオープンに、「あなたはどう思う?」と尋ねてもよいのでしょう。

自分の中に他人を創る

クライアント企業の幹部A氏が、人事を決める際の上司の「慎重なマインドセット」の弊害を話してくれました。

多くの「上司」はあらゆる理由でキーマンである部下を異動させないのだそうです。

短期業績やオペレーションの細部を検証し、「部下のため」と言いながら、結局は自分の都合で部下の配置を決め、結果、後進のキャリアをリスクにさらすのだと。

A氏の役割は、敢えてそこに「冒険的なマインドセット」を持ち込むこと、即ち、上司都合の人事に反論し、「冒険的な人事」を提案することだそうです。

Googleの元CEOエリック・シュミット氏は、

「人は他人の視点で自分を眺めることが得意ではない、
そこで、自分はコーチを活用した」

ということを語っていました。

重要な選択や決断をする時に、他人の視点で自分を眺めることができたら、より冒険的・創造的に、自分の可能性にアクセスできるのかもしれません。

「自分の中に他人を創る」方法として「fly-on-the-wall」の視点で自分に問う、というものがあります。(※)

例えば、重要な選択や決断をする時に、「私は何をしたいのか?」と問う代わりに、目の前に自分がいることを想像する。そして、誰か他の人に話しかけるかのように、目の前の人(あなた自身)に「あなたは何をすべきなのだろうか?」と問うのだそうです。

今号では、より冒険的で創造的な新年の抱負を考えるに当たり、「冒険的なマインドセット」のもたらす可能性を見てきました。

  • 他者の方が、より冒険的で創造的に考えられる可能性がある
  • 「fly-on-the-wallの視点」で、より効果的に自問できる可能性がある

これらの小さな工夫で、より冒険的で創造的な1年を創り出してみてはいかがでしょうか?

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【参考資料】

Evan Polman, Why It’s Easier to Make Decisions for Someone Else, November 13, 2018
Harvard Business School Publishing.
https://hbr.org/2018/11/why-its-easier-to-make-decisions-for-someone-else

※営利、非営利、イントラネットを問わず、本記事を許可なく複製、転用、販売など二次利用することを禁じます。転載、その他の利用のご希望がある場合は、編集部までお問い合わせください。

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