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2020年の未完了を完了させる

2020年の未完了を完了させる
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あと2週間で、2020年も幕を閉じます。「誰がこんな一年を想像したでしょうか?」というセリフがこれほどまでに似合う年もありません。2021年には、また新しい何かがやってくるかもしれませんが、どんな状況になったとしても、リーダーたるもの、エネルギー高く、未来に向けて前進していきたいものです。

エネルギーロスを回避するために

そのためには、今年の未完了はできるだけ早く完了させて、自分自身はもちろん、チーム、組織、会社全体におけるエネルギーロスを少なくした状態にしておく必要があります。

ここでいう「未完了」とは、
「やろうと思ってやっていないこと」
「やめようと思ってやめていないこと」
「過去の出来事の中で何か引っかかっていること」
を意味します。

仕事であれば「手をつけていない資料作成」「締切期限を過ぎたまま出していない提出書類」、プライベートでは「入れていない歯医者の予約」「片付けようと思いつつそのままになっている部屋」など、どれも立派な未完了です。

一つひとつの未完了は大したことないように見えますが、思い出すたびに感情的な反応が起こり、その反応への対処に膨大なエネルギーを使います。どんな未完了であっても、知らず知らずに、未完了は私たちを疲弊させていくのです。

組織の厄介な問題は「コミュニケーションの未完了」から始まる

「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」といったのは、心理学者のアルフレッド・アドラーですが、とくに関係性やコミュニケーションにおける未完了は、見て見ぬふりをしたり、わかっていても先延ばしにしたりすることが多いかもしれません。

たとえば、こんなことはないでしょうか。

  • 上司に相談しようと思いつつも、お互いのいそがしさを理由に時間をとっていない
  • 部下に伝えるべきフィードバックを、未だに伝えられていない
  • 無駄な会議だと思いながらも、そのことを誰にも言わず参加し続けている
  • お礼を伝えるべき人に伝えないままになっている
  • もらったメールに返信していない

マネージャーとメンバー間で起きている問題、事業部間で起きている問題、経営と現場の間で起きている問題、経営チームの中で起きている問題。振り返ってみると、実はかなり前から、しかも複数の人が薄々気づいていながらそのまま放置してしまったが故に、事が大きくなってしまった、ということが多くはないでしょうか。

組織における「厄介な問題」とは、先に挙げた「コミュニケーションの未完了の集積」であると言えるかもしれません。

未完了は、どのように完了するか

どんな未完了でも、完了させる方法は4つあります。

一つ目は、すぐに完了させることです。

そのためにはまず、今自分がどんな未完了を抱えているかを知る必要があります。自分自身についてはもちろんですが、チームの中で薄々まずいと感じている事やコンフリクトを避けて相手に知らせていないこと。あなたが顕在化させ完了させることができたら、それは組織の未来を変える大きな貢献になるかもしれません。

二つ目は、いつ完了させるかを決めること。

いますぐできないのであれば、ただそのまま抱えるのではなく、いつ完了させるかを明確にする。

三つめは、やらないと決めること。

「未完了」が「未」となっているのは、やるかやらないかを決めてないからです。やったほうがいいと思いながら、やらないから気が重くなる。not to do list を作るなど、いっそのこと「やらない」と決めるのも「完了」のための一つの選択肢です。

四つ目は、誰かの力を借りること。

未完了には、人の力を借りたほうが完了しやすいものがあります。たとえば、コーチと一緒に取り組むのもその一つの方法ですし、上司、部下、同僚、同期など、周りの協力者を考えてみてください。誰かに思い切って任せることも、選択肢のひとつでしょう。

この4つのいずれかで未完了を完了させることは、滞留したあなたのエネルギーを解放するに違いありません。

コミュニケーションの未完了を完了させるには?

私にとって今年最大の未完了は、父との関係性における未完了でした。

父は、今年9月に亡くなりました。長い闘病期間を経てのことで覚悟はしていたものの、どんな時にもエールを送り続けてくれた父の存在は大きく、亡くなって数週間、自分の体の奥からエネルギーが湧いてこない日々が続きました。仕事への影響が大きいと考えた私は、社長の鈴木に相談をしました。鈴木と話しているうちに気づいたことは、エネルギーが湧いてこない原因は、失った悲しさよりも、話したかったことを置き去りにしているモヤモヤした気持ちでした。

鈴木からもらったアドバイスは、
「亡くなってしまった場合、実際に伝えることはできないかもしれないけど、『相手に対して、何を伝えたいのかをはっきりさせる』ことが、完了には必要」
ということ。

一週間ほど時間をかけて父に伝えたいと思っていたことを一枚の手紙にしたため、先日、遺影の前で、一人、声に出して読みました。

清々しい気持ちというのは相応しくない表現かもしれませんが、大きな未完了を完了させ、天国の父とまた新しい関係をスタートできた感覚を得ました。

生きている相手の方がよほど難しいかもしれませんが、あなたが、今一番伝えたいことがある人は誰でしょうか。


今年の未完了は、今年のうちに。

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