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「リーダーシップとは?」を改めて問う3つのコラム
2019年01月15日
「リーダーシップとは何か?」、この問いにあなたはどう答えますか?
コーチングでは、言葉の「定義」を大切にします。
なぜなら、それにより、思考、行動、そして、目指すゴールさえも変わってくるからです。
今回は、「リーダーシップとは?」、そして「リーダーシップはどのように発揮されるのか?」を改めて問い、新たな視点を提供してくれる3つのコラムを紹介します。
「リーダーシップ」の正体
「あなたにとって、『リーダーシップ』とは何ですか?」
コーチングのトレーニングで進行役をしているとき、この質問を参加者であるビジネスパーソンやエクゼクティブの方々に投げかけると、多くの方は、
「強いこと」
「自分の信念を曲げないこと」
「ぐいぐい引っ張っていくこと」
と典型的なリーダーのイメージや資質を答えてくださいます。
そこから想像されるのは、ジャック・ウェルチや、ビル・ゲイツなど、カリスマリーダーと呼ばれる人たちのリーダーシップ像です。
リーダーシップは特別なもので、特殊な人にのみ備わっているもの、という印象を受けます。
ところが、
「あなたは、どういう場面で、リーダーシップを発揮することが求められますか?」
とお聞きすると、答えは次のように変化します。
リーダーシップをプロセスとしてとらえる
「リーダーシップ」というと、リーダーの性格といった「資質」や、部下に対してどうふるまうかといった「行動」にフォーカスが当てられがちです。
これに対し、リーダーシップを「プロセス」として捉える理論があります。
「リーダー」を、「社員を管理する者」ではなく、「実践のコミュニティー」の一員、すなわち、
「人々は共同事業で結びつけられ、歴史を共有し、そのためにある種の価値観、信念、話し方、そして物事のやり方を共有している」(Drath and Palus, 1994, p4)※1
その中の1人である、とする見方です。
つまり、組織とは、リーダー1人が決めて、動かしていくものではなく、そこにいる全ての人々が、一緒に考え、決め、動かしていくプロセスである、と。
そこにいるすべての社員が、「リーダーシップ」という「役割(ロール)」を担うわけです。
ここで注意が必要なのは、「リーダー」と「リーダーシップ」は分けて考える必要があるということです。
リーダーシップを目覚めさせる
ある外資系IT企業の社長からコーチングを依頼されました。対象となるのは、シニアセールスマネージャーのIさん。
コーチングのゴールは、Iさんが今の会社でリーダーシップを発揮すること。
Iさんは、3ヶ月前にヘッドハンティングにより、別の外資系IT企業から引き抜かれたバリバリのセールスマネージャー。
ところが、最近の様子を社長に聞いてみると、その力を十分には発揮できていないというのです。
Iさんが前職として勤めていた企業は、米国資本で従業員数は約3千人。
その社風は、強力なトップマネジメント。
実績、数字がすべてで、能力の無いもの、やる気の無いものは去れという、完全な業績主義の会社だったそうです。
Iさんはその厳しい競争の中で常にトップに立ち、会社を牽引してきた実力者でした。
私は、リーダーシップに関するアセスメントの中からIさんにいくつかの質問をしました。
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