Easterlies

Easterliesは、日本語で『偏東風(へんとうふう)』。「風」は、外を歩けばおのずと吹いているものですが、私たちが自ら動き出したときにも、その場に「新しい風」を起こすことができます。私たちはこのタイトルに、「東から風を起こす」という想いを込め、経営やリーダーシップ、マネジメントに関する海外の文献を引用し、3分程度で読めるインサイトをお届けします。


目標設定

目標設定
メールで送る リンクをコピー
コピーしました コピーに失敗しました

目標の与える影響

あなたは「目標」という言葉にどのようなイメージを持っているだろうか。

原動力の湧くもの、プレッシャーのかかるもの、北極星のような存在。

人によって思い描くイメージは異なるだろう。

欧米では「BHAG(Big Hairy Audacious* Goal)」という言葉が存在する。

大きな目標を立てることが、大きな結果につながるという考えだ。

(*Audacitous = 大胆な)

ところが興味深いことに、昨年Forbes誌に寄稿された記事「What Is A BHAG? New Ideas On Goal-Setting - And How To Crush Your Goals」(※1)は、大きな目標(BHAG)を立てることに対する異議を唱えた。

BHAGを持つことで、人は「自分が何者でないか」を思い知らされ「落胆」し、かえって逆効果になることもあるのだという。

要するに、大事なことは、(目標の大きさや実現可能性ではなく)目標を立てることが、自分にどのような影響を与えるのか、その自己認識を高めることなのではないだろうか。

  • あなたは、自分の目標を思い浮かべたとき、どんな気持ちになるだろうか。
  • 今年は、どんな気持ちになる目標を立てたいだろうか。

目標の先にあるもの

目標には個人で立てるものもあれば、組織や企業として立てるものもある。

ユニリーバの元CEO、ポール・ポルマンは、彼の新著(※2)の中で、このような指摘をした。

「"サステナビリティ"を目指すことは、確かに称賛に値する企業目標ではある。しかし、それを掲げるだけでは全くといって十分ではない」

そして「世界に与える影響全体に責任を持ち、透明性を持ってリードし、長期的な視点に立つ」ことこそが、企業の本当に目指したい姿だと主張した。

  • 目標を達成することで、本当に実現したいことは何か。
  • 目標の背景に、どのような真の「目的」があるのか。

ひとりの個人として、あるいは組織として目標を定め、追いかけるとき、その先に何があるかを見失ってはいけない。

目標の先にある「目的」をつまびらかにすることの重要性を、彼は世の中のリーダーに訴えかけているのである。

今の心身の状態(ファウンデーション)を整える

このように、リーダーが「目標」について考えるとき、非常に様々な視点や価値観の検討が必要となってくる。

ハーバード・ビジネス・レビューのある記事は、(※3)2020年以降のコロナに伴う環境変化のストレスを踏まえ、リーダーは、単にチーム戦略や目標を明示する前に、社員一人ひとりが受けている心理的な変化を理解し、チームのエネルギー状態を管理することの重要性を強調した。

今年一年の活力を与えるような新しい「目標を立てる」ためには、そのための土台(ファウンデーション)が心身ともに整っていることがまず欠かせないということである。

あなたは今、新しい目標を立てる準備ができているだろうか?
「目標」をどのようなものだと捉えているだろうか?
今年はリーダーとして、どのような目標を立てたいだろうか?


この記事を周りの方へシェアしませんか?

この記事はあなたにとって役に立ちましたか?
ぜひ読んだ感想を教えてください。

投票結果をみる

【参考文献】
※1 Chris Westfall, "What Is A BHAG? New Ideas On Goal-Setting - And How To Crush Your Goals", Forbes, 2021 Jul.
※2 Paul Polman, and Andrew Winston,"Net Positive: How Courageous Companies Thrive by Giving More Than They Take", Harvard Business Review Press, 2021 Oct.
※3 Merete Wedell-Wedellsborg, "How to Help Your Team Get Out of a Lull", Harvard Business Review, 2021 Oct.

※営利、非営利、イントラネットを問わず、本記事を許可なく複製、転用、販売など二次利用することを禁じます。転載、その他の利用のご希望がある場合は、編集部までお問い合わせください。

コーチング・プログラム説明会 詳細・お申し込みはこちら
メールマガジン

関連記事