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組織にコーチングカルチャーを築く #2 コーチングカルチャーの浸透に重要な要素(ICF調査レポートより)
2016年11月25日
国際コーチング連盟(ICF: International Coach Federation)の最新リサーチレポート『 Building a Coaching Culture with Managers and Leaders (マネージャー、リーダーとともにコーチングカルチャーを築く) 2016 』を数回に分けてシリーズでお届けします。
#2 コーチングカルチャーの浸透に必要な6つの条件
この調査シリーズは、長期的なものとして計画されたわけではなかったものの、回答者の組織が「コーチングカルチャーの浸透している組織」である割合は年々高まっている。2016年には、合計で回答者の17%(n=152)が、「コーチングカルチャーが浸透している組織」に所属しており(2014年13%から2015年には15%へと上昇)、そうした組織は、以下の基準のうち少なくとも5 つを満たしている。
1) 「社員はコーチングに価値を置いている」に「とてもそう思う/そう思う」
2) 「経営幹部はコーチングに価値を置いている」に「とてもそう思う/そう思う」
3) マネージャー/リーダー(と/または社内コーチ)が、週の平均以上の時間をコーチングに費やしている(マネージャーおよびリーダーの平均:28%、社内コーチの平均:34%)
4) マネージャー/リーダー(と/または社内コーチ)が、認定されたコーチの専門トレーニングを受けている。
5) コーチングが「欠かせないもの(fixture)」として、組織の予算に組み込まれている。
6) 組織の全社員が、「プロのコーチ」からコーチングを受ける機会を平等にもっている。
1,000人から10,000人の社員を抱え、アジアに本社を置いている組織は、コーチングカルチャーが浸透している割合が高いようだ(アジア40%、北米12%、中東/アフリカ10%)。この結果については、以前のICFの調査で、「コーチング型マネージャーおよびリーダー」という手法に強い関心を示したインドの回答者の比率が高かったことが、その理由と言えるだろう。11
コーチングカルチャーが浸透している企業の事例
回答者の組織のうち、コーチングカルチャーが浸透している割合は比較的低いものの、コーチングカルチャーが、なぜ成功にそれほど重要なのかを企業が理解することは大切だ。
コーチングカルチャーの浸透は、「社員エンゲージメント」や「業績」とプラスの相関がある。「コーチングカルチャーの浸透している組織」の回答者の2/3近くが、「社員エンゲージメントが高い」と評価している。一方で、コーチングカルチャーが浸透していない組織の回答者になると、その数は、たったの1/2に留まる。
「財務上の影響」という点では、「コーチングカルチャーの浸透している組織」の回答者の51%が、2015年の収益が同業他社を上回ったと報告している。一方で、その他の組織の場合は、この割合が38%だった。
【翻訳】 Hello, Coaching! 編集部
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