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組織にコーチングカルチャーを築く#4 組織におけるコーチングの機会と活用について(ICF調査レポートより)
2016年12月09日
国際コーチング連盟(ICF: International Coach Federation)の最新リサーチレポート『 Building a Coaching Culture with Managers and Leaders (マネージャー、リーダーとともにコーチングカルチャーを築く) 2016 』を数回に分けてシリーズでお届けします。
#4 組織におけるコーチングの機会と活用
過去3年に実施された3回の調査の平均で、コーチング型マネージャーやリーダーを活用すると回答した組織の割合は、86%となった。
コーチング型マネージャーやリーダーは、平均すると、週の業務時間のうち4分の1をコーチング活動(研修や公式なコーチングセッションなど)に費やしているが、日々の会話の中でももっとコーチングスキルを活用することができる。コーチングスキルを活用した頻繁なフィードバックと目標設定といった関わり方によって、社員のパフォーマンスマネジメントは、評価面談のような年単位のものから、日常的に行われるものへと変わる。
さらに、社内コーチがコーチングに使う時間は週に22%だが、これはおそらく、他の役割や業務があるからだと考えられる。
また、大企業や成長率の高い企業は、社内コーチと社外のコーチの両方を活用する傾向がより強い。
社内コーチ、社外コーチ、コーチング型マネージャー/リーダーの使い分け
社内コーチ、社外コーチ、コーチング型マネージャー/リーダーといったコーチングの活用方法は、目的によって使い分けられており、それぞれが組織にとって、重要な意味をもつ。回答者全体の3分の1にあたる組織が、3つすべての方法を活用しているが、コーチングカルチャーの浸透した組織では、それが64%にもなる。
コーチングカルチャーの浸透した組織では、3つすべての方法を組み合わせて活用することに価値があると考えている。特に、コーチング型マネージャーやリーダーが、コーチングについての理解を深めるために、プロのコーチからコーチングを受けることができたり、専門機関の認定トレーニングを受けることができたりする場合において価値が高い。
より多くのリソースをもつ大規模な組織は、3つのコーチング活用方法すべてを取り入れる傾向があるが、100人以下の組織の場合、3つの活用方法を取り入れている割合は6%に留まる。
全体のうち73%に及ぶ組織では、向こう5年間でコーチング型マネージャー/リーダーの数を増やす計画があると回答したが、この数字は2014年の81%から減少している。ほとんどの回答者が、社内外コーチの活用を維持する見通しと回答したが、11%の組織では、今後5年以内に社外コーチの使用頻度を減らすと回答している。
コーチングカルチャーの浸透した組織では、社員にコーチングに触れる機会を多く提供している
コーチングカルチャーの浸透した組織では、より多くの社員に、コーチングを利用する機会を提供している。回答者全体の30%(コーチングカルチャーが浸透している組織の87%)は、組織内のすべての人がプロのコーチからコーチを受ける機会があると回答している。この比率は、2015年の調査結果の割合(6%)からも増加した。
コーチング型マネージャーやリーダーにアクセスする機会は、ほとんどの社員がもっているが、外部コーチの利用に限っては、シニアレベルの経営者のみに、その機会があることが多い。高いポテンシャルをもつ社員でも、プロのコーチではなく、コーチング型マネージャーやリーダーと、やり取りすることが多いと考えられる。
過去のHCI/ICF調査と比較すると、シニアレベルの社員に対する外部コーチの活用は減少しており(6%減)、一方で、コーチングスキルをもつマネージャーやリーダーと関わる機会を提供する組織は増えている(17%増)。
【翻訳】 Hello, Coaching! 編集部
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