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組織にコーチングカルチャーを築く #8 ICF(国際コーチング連盟)コア・コンピテンシーの重要性と活用法(ICF調査レポートより)
2017年02月17日
国際コーチング連盟(ICF: International Coach Federation)の最新リサーチレポート『 Building a Coaching Culture with Managers and Leaders (マネージャー、リーダーとともにコーチングカルチャーを築く) 2016 』を数回に分けてシリーズでお届けします。
#8 ICF(国際コーチング連盟) コア・コンピテンシー(Core Competencies)の重要性と活用法
ICFのコア・コンピテンシーとは、コーチングの実践に不可欠なものとしてICFが認定した11のスキルだ。
ただひとつの例外(「コーチングに関する同意(coaching agreement)を交わす」)を除いて、回答者の大部分が、これらコンピテンシーのすべてを「極めて」もしくは「とても」重要だと評価している。
「信頼の構築」は重要性でいうと最も高く評価されている(下図参照)。
「信頼の構築」は、率直なコミュニケーションと、建設的なフィードバックを受け取ることを可能にする。
最も評価の高かったコンピテンシー(信頼の構築)と、最も評価の低かったコンピテンシー(「コーチングの同意」を交わす)は、「コーチング型マネージャーおよびリーダー」という活用方法のもつ、二元性を表している。コーチング型マネージャーおよびリーダーは、プロのコーチをアプローチの手本とする場合がある。その場合は、しかるべき手順として、コーチングに関する同意書を交わすことが強く求められる。だが、定性調査の結果によれば、ざっくばらんで形式張らないアプローチによって、直属の部下との信頼が構築できるとマネージャーたちは信じていることが示されている。組織におけるすべてのステークホルダー(社員、マネージャー、リーダー、人事/人材育成/学習開発部門の専門家)が、いわゆるコーチングの手続きに従って手順を踏むことが、どのくらいその組織のコーチング文化にとって必要かつ適切かを決めなくてはならない。
コーチング文化の浸透している組織は、コーチング・コンピテンシーのほとんどに、相対的に、より高い重要性を置いている。ふたつのグループ間で最も差が大きかった(>1ポイント)のは、「コーチングに関する同意を交わす」だった。コーチング文化の浸透している組織は、コーチングの実践に関して、基準と形式を確立することが必要だと考えている。組織にとって「同意」は、一方で、マネージャーやリーダーに、コーチングスキルを使うことに責任を持たせ、また他方で、社員に、自分自身の成長に責任を持ち続けてもらう上で役に立つ。
コーチング型マネージャーおよびリーダーは、人事/人材育成/学習開発部門のすべての回答者が認識しているよりも、より頻繁にコーチングスキルを活用していると報告している。人事/人材育成/学習開発部門は、マネージャーとその直属の部下との間のコーチングの現場のすべて(あるいはその一部)を目にすることはできない。その結果、コーチングの実践の頻度を、実際より少なく報告している可能性がある。言い方を変えると、マネージャーと、人事/人材育成/学習開発部門は、コーチングがいかに定義され、実践されるかについて違う考え(理解)をもっているのかもしれない。そのために、マネージャーおよびリーダーが、いかに日々の会話の中に絶え間なくコーチングスキルを取り入れられるかについての意見が食い違うのだ。幸いなことに、コーチングスキル活用の重要性と頻度の認識に関しては、評点の差はわずかしか認められなかった。
「コーチングの価値はかなり重視されています。けれど、マネージャーおよびリーダーがコーチング技術を効果的に活用するには、さらなる訓練と支援が必要です。コーチが、自分自身のパフォーマンスと開発に責任をもつこともまた必要となります」 サーベイ回答者
【翻訳】 Hello, Coaching! 編集部
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