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組織にコーチングカルチャーを築く #15 結論と提案(ICF調査レポートより)
2017年04月06日
国際コーチング連盟(ICF: International Coach Federation)のリサーチレポート『 Building a Coaching Culture with Managers and Leaders (マネージャー、リーダーとともにコーチングカルチャーを築く) 2016 』を数回に分けてシリーズでお届けします。
#15 結論と提案
コーチングカルチャーの浸透は、組織がすべての社員にコーチングを提供し、コーチングの価値と目的をはっきりと伝え、その過程におけるアカウンタビリティを維持するときに際立つ。上級幹部、マネージャー、社員、そしてコーチのすべてが、コーチング文化の浸透を図る上で重要な役割を果たす。
シニアリーダーは、コーチング行動の手本となり、予算とリソースを配分しなければならない。マネージャーは、継続的なコーチング・コンピテンシーのトレーニングに参加し、チームメンバーをコーチする時間をとる必要がある。社員は、「成長型マインドセット」と、自分自身のコーチングの成果を身につけなくてはならない。社内コーチと社外のプロのコーチは、コーチングを、また、時にはコーチングスキルを教えるトレーニングを提供する。
これらのステークホルダーすべてが協力して、コーチングカルチャーの浸透と、コーチング行動の効果と成果の実現に取り組む。以下の提案を取り入れることによって、人事/人材育成/学習開発部門の専門家や、ビジネスリーダーや、社員は、強力で持続可能なコーチングカルチャーを構築することができる。
コーチングへのアクセスを増やす
- 社員全員に、プロのコーチと連携する機会を均等に与える。
- 3つの活用方法を組み合わせながら、あらゆる階層にコーチングを組み込む。
コーチングの価値を伝える
- コーチングに対する意識を調べ、動かす:コーチングは、救済措置ではなく、開発の機会として捉えられる必要がある。
- 一貫して絶えず、コーチングの目的を繰り返し述べ、組織コーチングの成果を測定し共有する。
トレーニングの機会を増強する
- コーチング型マネージャーおよびリーダーに、認定されたコーチの専門トレーニングを受ける機会をさらに提供する。
- コーチング型マネージャーおよびリーダーの、コーチングの資格・認定を取得したいという願望を後押しする。
- コーチング型マネージャーおよびリーダーに、コーチングのコア・コンピテンシーに関する事例、ツールキット、ビデオ教材などを提供する。
- メンターコーチング、ピアコーチング、新しい実践コミュニティーの拡大を支援する。
- マネージャーおよびリーダーが、認定をもつ社内外のコーチにアクセルして、コーチングスキルを深めることができるようにする。
すべてのステークホルダーに、コーチングカルチャーにおける責任を課す
- コーチング・リレーションシップ(コーチとクライアントという関係性)の限界/境界を定義し、統一された組織規模の「コーチングの同意」をもつ。コーチング型マネージャーおよびリーダー、社内コーチ、社員に同意を認知させ、期待と責任を明確にする。
- マネージャーが、正式な予定された場だけではなく、適宜(例えば、非公式に、そして予定外に)コーチングスキルを適用していることを評価する。
- コーチングスキルをマネージャーおよびリーダーの職務記述書に組み入れ、進んでコーチングスキルを使おうとし、直属の部下を開発することに価値を見出しているマネージャーおよびリーダーを採用する。
- 社員に、コーチングとフィードバックを受け、開発のプロセスを信頼し、「成長型マインドセット」を選ぶことを奨励する。
「私たちは、リーダーが初めてその任に就くときは、上司としての開発を促すトレーニングに力を入れています。それから、移行時と最初の2年間は、新任リーダーに対して、多くのトレーニング・プログラムと支援が提供されます。年間のコースで、2~3の違うクラスを一緒に体験し、異なるグループ学習活動に力を合わせて取り組む、経験豊富な上司のグループをつくりました。彼らは、コーチングスキルを活用はしていましたが、それはあからさまにではなく、また専門用語も使っていませんでした。」――ブラディ・パイル 取締役人事部長 NASA ジョンソン宇宙センター(NASA-Johnson Space Center)
【翻訳】 Hello, Coaching! 編集部
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