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クライアントの話が聞けない時に試したいこと

原題:Working Too Hard to Listen
クライアントの話が聞けない時に試したいこと

何年も前に初めてコーチングを行った時のことだ。帰り道、同僚に車で送ってもらった時に、気づかずに寝てしまったことがある。今では笑い話だが、自分が運転者でなくてよかったと思う。この体験が示すのは、コーチング中に相手の話を注意深く聞くには、多くのエネルギーを要するということだ。

事実、コーチングでの会話は日常会話とは非常に異なる。その主な理由は、コーチングでは相手の言うことを注意深く聞くという特徴があるからだ。相手の話を深く聞くには、さまざまな方法があるが、ここでは、相手の話を聞けないときに何ができるのかということについて考えてみたい。

初めてのコーチングの体験から、10年ほど経ったときのことだ。私は、長々と話をするマネジャーをコーチしていた。相手の話を懸命に聞こうとしているのが自分でもわかったが、私は話を聞きながら、繰り返し何回も眠ってしまいそうになった。

私は自分自身に怒りを覚え、いらだち、胃が締めつけられるようだった。しかし、どんなに努力をしても、その場で必要とされることができなかった。

その時、はっと分かったことがある。私は、自分が聞くことに懸命になっているという事実に、突然興味が沸き起こったのである。なぜそんなことが起こったのだろうか?

私は、その場で実際に何が起こっているのかを探索し始め、私の興味はクライアントの話し方に向いた(正直なところ、私はその時点でもまだ話の内容を聞いていなかった)。両側に葉がついている枝のようなイメージが心に沸き上がり始めた。彼女の話には最終的なゴールがあり、枝の根本から先端へと向かって話を進めているようだった。しかし、途中で話がそれ、些細なことに長い時間をかけていた。まるで、1枚1枚の葉の周りを歩き回っているようで、枝の根本から先端に行くには時間がかかり過ぎるように見えた。

私は話がそれるたびにいらいらし、その後、注意力がなくなった。私は、彼女が話し始めた話をすぐに終えてほしいと思うと同時に、脱線した内容を詳細に至るまで聞きたくはなかった。また、他の人も彼女の話を同じように聞いているのだろうかと疑問に思った。

ある時点で、私は休憩をお願いし、自分の中で起きていることを伝えたいと許可を求めた。驚いた彼女は、私が何を言うのだろうかと興味をもった。私は上記のようなことが自分に起きたことを話し、話が聞けなくなって私がメモに書き留めたいくつかの脱線話を見せたりもした。そして、私は枝の絵を描いた。

彼女はすぐに全く新しい方向に向かって話を始め、私が伝えた話と、彼女の主要なステークホルダーとのコミュニケーションで苦労した点とを結びつけた。このことによって、素晴らしい進歩につながる近道ができたのだ。

コーチングで、相手の話を聞くことが難しくなった時には、なぜ自分がそう感じるかを探ってみるといい。原因が何であれ、一歩下がって何が起こっているかを理解し、クライアントにそれを伝えることは非常に有効だ。その試みは結局、あなたにとってもクライアントにとっても役立つことになるだろう。

著者について

ジュリー・ジョンソン(Julie Johnson)氏は、1990年代初頭からキャリアをスタートさせている、ヨーロッパで最も経験豊かなコーチ/ファシリテーターの一人。
URL: http://www.julie-johnson-consulting.com/home
Email: info@julie-johnson-consulting.com

【翻訳】 Hello, Coaching! 編集部
【原文】Working Too Hard to Listen
(2017年9月21日にICF BLOGに掲載された記事の翻訳。著者の許可を得て翻訳・掲載しています。)


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