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脚本通りに生きる私たち

原文:THE SCRIPTS WE LIVE
脚本通りに生きる私たち
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仕事の人間関係で起こる「コンフリクト(対立)」は、仕事における重要な部分だ。チームという複雑な環境には、ある程度の「コンフリクト」は、つきもののように思える。しかし、その一方で、必要以上に頻繁に起こり、長引いている「コンフリクト」もある。時に、我々は、職場での「コンフリクト」を元に脚本を書き、人に「役」を割り当て、何の役にも立たない同じドラマを、何度も何度も繰り返し演じていることがある。

割り当てられた役

チーム内で繰り広げられる様々なドラマの中で、何らかの役を担ってしまうことはよくある。例えば、難しい人、短気な人、イエスマン、コミュニケーション過多な人、押しの強い人、おとなしい人、といった具合に。危険なのは、一度きりの三文芝居の中だけで披露される予定だったその役が、その後定着してしまうことだ。言ってみれば、ウエスト・エンドでロングランを続ける舞台作品のようなものだ。ただそれと違うのは、芝居は毎回ひどいもので、何年も続くという点である。

同じ役を演じている状態が、あまりにも長く続くので、あなたはチーム内のあるメンバーのある特定の「行動」を予想できるようになるかもしれない。そして、その予想は、ある程度当たっているかもしれない。だが、それで、何かを変えることができるだろうか?いざこざが起こるという予想が、おそらくその通りになる可能性がより高まるだけだ。おなじみの脚本を受け入れ、自らの役になりきると同時に、他の人たちにもそうすることを求めるなら、変化はほとんど望めない。その脚本と、それによって生み出されるマイナスの力学を一層根付かせているだけだ。

別の道を描く

いつも予想しているものとは違った可能性に思いを馳せるだけで、あなたがその脚本から抜け出すきっかけになる場合がある。脚本は、演じられる度に確固たるものになっていく。どれほどの駄作であろうと、おなじみの脚本には、ある程度安心感を覚えるのも確かだ。結局のところ、人間というのは習慣の生き物なのだ。

とはいえ、自分自身や同僚に、別の可能性に目を向けるよう挑むのには勇気がいる。その勇気とはすなわち、自分も不健全な行動に加担している可能性があることを認める勇気であり、いつものやり方を変える勇気のことだ。

ポジティブな意図

延々と繰り返される脚本の中で、自分と他の人たちが演じている役を認識することが、「コンフリクト」を解消し、「連携」を増やすための第一歩である。あとは、違うやり方を考えてみる勇気を持てるかどうかだ。「ポジティブな意図」が持つ力を見くびってはいけない。新たな可能性について考え、サイクルを打ち破ろうという気持ちを持つだけで、大きな変化が生まれるきっかけになる場合が多々あるのだ。

<筆者について>

ハルシャ・ペレラ氏(Harsha Perera)は、ロンドンを拠点とするエグゼクティブ・コーチ。詳細についてはこちらを参照ください。

【翻訳】Hello, Coaching!編集部
【原文】THE SCRIPTS WE LIVE
(2017年9月8日にICF BLOGに掲載された記事の翻訳。著者の許可を得て翻訳・掲載しています。)※現在は、著者自身のウェブサイトに掲載されています。


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