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パフォーマンスが上がるチームの最適人数は?

【原文】Many hands may not make light work | by Robert Sutton and Huggy Rao
パフォーマンスが上がるチームの最適人数は?
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大きなチームの弊害

1957年、英国海軍の歴史学者および経営研究者で風刺作家のC.ノースコート・パーキンソンは、典型的なミーティングの絵を、風刺を利かせて描いた。そのミーティングは4、5人のメンバーで始まるが、すぐに9、10人に増え、ひとたび20人以上に膨れ上がると、ミーティングは全くの無駄な時間となる。

結局、重要な仕事はすべて4、5人の影響力の強いメンバーが会議の前や後に終わらせてしまうのだ。パーキンソンや数多くの研究は、、チームで仕事をする場合、人手が多くてもチームの仕事は減らないということを明らかにしている。ハーバード大学研究者の故J.リチャード・ハックマンは、50年近くチームのパフォーマンスの研究に専念した結果、大半の任務に関して4人から6人がチームの人数としては最適であり、いかなる仕事のチームにもメンバーが10人以上いるべきではないとしている。そして、チームの規模が大きくなると急激に、パフォーマンス上の問題や個人間の摩擦が増えると結論づけた。

このようなトラブルが生じる理由は、多くの場合、大人数のチームでは個々のメンバーに圧倒的な「負荷」がかかるからだ。グループが大きくなるにつれて、それぞれのメンバーはより多くの時間を調整作業に費やすようになり、そして、実際仕事に費やす時間は短くなる。また、メンバー間でのやりとりが多くなり、それは、コミュニケーションミスや間違いを犯す機会につながる。また、それぞれのメンバーは、数多い同僚に意識を向けなくてはならず、チームとしての社会的な結びつきは弱体化し、破壊的な対立が高まるのである。

6人グループがもたらした効果

大病院の救急科に関するメリッサ・バレンタインとエイミー・エドモンドソンの研究では、小規模チームの良さが証明されている。救急科に30人ほどのドクターや看護師が配属されると、きまって6人から成る複数のグループに分けられ、それぞれグループでは年長のドクターや担当医師がリーダーとなった。その体制変更後、患者に関する情報はより早く、より正確に伝わり、個人的な関係も改善した。チームを小さくすることで、助けを求めるべき相手や最新情報に関する混乱や不安は低減した。

ある看護師はこう言っていた。「今ではより強い当事者意識を互いに持つようになった。私が『私のグループがうまく機能していない。私のドクターはどこにいますか?』と聞くとする。するとドクターは責任を持って私に対応する。またドクター達は「私の看護師達はどこにいる?今日私は誰と一緒か?」と聞くのだ。」このグループ制が導入される以前は、たとえ多くの症例を共有して一緒に働いていたとしても、このように互いに主張することは珍しかった。研修医師ともなると、「私の看護師達はどこにいる?」ではなく、「この患者の担当看護師は誰?」など、自分と看護師達との関係を無視した、より突き放した言葉遣いをしていたものだ。

グループ制はまた、効率化に大きく貢献した。バレンタインおよびエドモンドソン両氏は、グループ制が導入される半年前から一年後の間に救急科を受診した160,000名の患者に関するデータを分析した。その結果、グループ制の導入後、スタッフの人数を増やさずに、患者に対する処置時間は約40%急落し、一人の患者に対する処置時間は約8時間(8.34)から5時間(5.29)となった。この減少は、より効率的な職員の活用を反映しているだけではない。患者の気持ちを考えてみれば、病院で8時間過ごすよりも、5時間のほうがはるかにましだ。

人手が多くても仕事は減らない

結論は、人手が多くても必ずしも仕事量の軽減には役立たないということだ。チームの大きさに関しては、特にそれがあてはまる。しかし、チーム人員を増やした管理職に見当違いの報奨を与えることで、チームを大きくすることを奨励する組織も存在する。あるチームのメンバーから、機能障害的な対立で身動きがとれない、無関心に悩まされている、誤った決断を下している、あるいは期限が守られないなどの報告を受けるとする。そんなときに我々が最初に尋ねるのは、「チームの規模はどれくらいなのか?」である。その答えが5、6人以上、特に10人以上の場合、賢明な引き算あるいは割り算によって、著しい改善が生まれる可能性がある。バレンタインおよびエドモンドソン両氏の研究が示すように、リーダーはより能力が発揮される。より効率的になる。個人間の摩擦が少なくなる。そして知らない者同士が親しくなる。

筆者について

ロバート・サットン氏 (Robert Sutton)とハギー・ラオ氏 (Huggy Rao)は、米国スタンフォード大学の新しい組織変革プロジェクト(Designing Organizational Change Project)の共同ディレクターである。また、サットン氏は、スタンフォード大学エンジニアリング・スクールのマネジメント・サイエンス/エンジニアリングの教授。ラオ氏は、スタンフォードビジネススクールの教授である。

【翻訳】Hello, Coaching! 編集部
【原文】Many hands may not make light workre:Work*に掲載された記事の翻訳。re:Workの許可を得て翻訳・掲載しています。)
Article translated and reproduced with permission of re:Work

*re:Workとは:「職場をもっと良くしよう」をテーマに、Googleが実施した人事やマネジメントに関する調査結果やケーススタディ、ブログなどを公開している、Googleのre:Workチームが運営するウェブサイト。データに基づいた人事のあり方を模索している。


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