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リーダーに必要な1つの資質とは
2018年11月16日
リーダーが他の人と違う点は何だろうか?それは「カリスマ性のある声」でも「ハーバード大学の学位」でもない。科学者によれば、それは、「他者に影響が及ぶ判断に対して責任を取ること」である。
フォロワーとリーダーを区別するもの
親は子供に何のスポーツクラブに通わせるか考え、上司はプロジェクトを誰に任せるか検討し、軍の指導者は戦略について考える。いずれもリーダーであり、他者に代わって選択を行う。
チューリッヒ大学の経済学部が行ったある研究では、フォロワーをリーダーと区別するものとして、ある1つの特徵を指摘している。それは、責任を回避すること、つまり、他の人にも影響が及ぶ判断を避けようとすることである。
あなたの判断にはどのくらい確実性が必要か
この研究では、「各グループのリーダーが、自分自身で判断を行うか、それともグループに判断を任せるか」について調査した。科学者たちは、リーダーがこのような選択を行うときに行われる神経系の処理を調査した。また、他人に対するコントロール感や恐れなど、誰もがもつ、直感的なさまざまなとらえ方についてテストした。
その結果、判断の影響が他人に及ぶ際に責任を回避しようとする理由は、最適な行動をとるためにより確実に判断したいためであることが判明した。したがって、人が最良の判断を下すのは、自分の判断が他者に影響を及ぼすことを理解しているときである。それを理解することで、リーダーは他の人をより良く導くことができる。
科学者たちは、「リーダーはリスクを伴う選択肢と安全な選択肢のどちらかを選ぶ決定権をグループに委任することもできるし、自分で決定権を持ち続けることもできる」という判断の枠組みを設定したうえで実験を行った。また、判断の影響が自分個人にしか及ばない「セルフ」実験と、各グループメンバーに判断の影響が及ぶ「グループ」実験を実施した。
「この枠組みは、支配権を握ろうとする個人の一般的な傾向ではなく、リーダーが判断を行う際にどのくらい確実性を必要とするか、その程度の違いを明らかにするものです。これにより、さまざまなリーダーシップのタイプを説明できるでしょう」とこの研究の筆頭筆者ミカ・イーデルソン(Micah Edelson)氏は述べている。
責任を引き寄せる
リーダーとは、難しい決断から逃げずに、全員の幸福のために選択を行える人物である。リーダーは他人の責任を嫌がることなく引き受ける。実際、リーダーは自分から責任を引き寄せていることが研究によって明らかになっている。
<筆者について>
サバンナ・パットン(Savannah Patton)氏は、国際コーチング連盟(ICF)の広報担当であり、ケンタッキー・スポーツ・ラジオのフリーライターを務める。
【翻訳】Hello, Coaching! 編集部
【原文】The One Quality Leaders Have to Have (2018年9月20日にICFのCOACHING WORLDに掲載された記事の翻訳。ICFの許可を得て翻訳・掲載しています。)
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