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ひどい上司は、あなたが変えられるかもしれない

【原文】Dealing with a Bad Boss? Look to Your Own Actions to Find Help
ひどい上司は、あなたが変えられるかもしれない
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ひどい上司に遭遇すると、私たちは心を閉ざしたり、イライラしたり、当てつけのようにその上司の悪い行動を真似してしまいがちである。それによって事態がさらに悪化することもある。

しかし、最近行われたある調査によると、部下の行動は、上司の行動に予想以上の大きな影響を与えているという。部下の不安や自己評価、リーダーシップに対する部下の考え方が、職場におけるリーダーや上司の行動様式に大きく影響しているのである。

組織の機能に影響する部下の行動

ダラム大学のスザンヌ・ブラウン(Susanne Braun)教授、バル=イラン大学のロニット・カーク(Ronit Kark)教授、フローニンゲン大学のバーバラ・ワイス(Barbara Wisse)教授が実施した研究では、悪しきリーダーシップの中核を成す3つの「悪夢的な特徴」である「不誠実」「不愉快」「不注意」に注目している。これらの特徴が、心の知能指数(EQ)の低い外向型のリーダーと組み合わさったとき、重大な悪影響が生じることがあるという。

ブラウン教授は次のように述べている。「驚くべきことに、リーダーだけでなく、部下のネガティブな側面も、組織の機能への阻害要因として働くことがわかった。私たちは、『リーダーは全能であり、組織の失敗に対する責任を1人で負うべきである』という、やや一次元的な考え方から距離を置くようにしている。」

教授らは、実験による証明から実際の行動の観察まで幅広い手法を使い、このテーマについてさまざまな研究を実施した。これまで、組織のリーダーシップに関するほとんどの研究では、部下の特徴については検証を行っておらず、また、それがリーダーに影響を与えるものだとはしていない。しかし、この一連の研究では、部下の特徴を検証し、その結果それはリーダーに影響を与えるものと結論づけている。

ワイス氏は次のように語っている。「リーダーシップとフォロワーシップのポジティブな面は、良くない面に焦点を当てることでよりよく理解すべきだという認識が広がりつつある。その2つの間には『グレーゾーン』も多く存在する。それについてはさらなる研究が必要である。」

この研究の結果を利用することで、組織やリーダーは悪しきの行動を促す要因を特定し、問題を解決することができると、教授らは考えている。

鍵はポジティブな組織文化

カーク氏は次のように説明している。「まず大事なのは、悪しきリーダーシップの影響を和らげるポジティブな組織文化を作ることだろう。説明責任の理解、組織の透明性、信頼、尊敬、協力などを重んじる価値観を広げることで、数名の個人が組織全体に与えるネガティブな影響をある程度弱めることができる。」

コーチング文化も、信頼や尊敬などのポジティブな価値観を促進する組織文化の一つであるといえる。

筆者について

サバンナ・パットン(Savannah Patton)氏は、国際コーチング連盟(ICF)の広報担当であり、ケンタッキー・スポーツ・ラジオのフリーライターを務める。

【翻訳】Hello, Coaching! 編集部
【原文】Dealing with a Bad Boss? Look to Your Own Actions to Find Help (2018年1月17日にICFCOACHING WORLDに掲載された記事の翻訳。ICFの許可を得て翻訳・掲載しています。)


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