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あなたはどんな船で航海をしているのか?

【原文】Building the Right Boat: How Leadership Teams Can Better Navigate the Tides
あなたはどんな船で航海をしているのか?
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乗っている船によって見える景色が変わる

1963年フランクフルトで、ジョン・F・ケネディが経済発展について語った有名な言葉がある。「上げ潮はすべての船を持ち上げる(景気が上向けば、皆がその恩恵を受ける)」。それは一見、自明の理のように聞こえるが、裏を返せばこれは、上げ潮時にはどの船も大きく優位には立てないということである。

ドブロブニクに旅行中、旧市街の港を一望すると、大きさも目的もさまざまな船がひしめきあうように停泊している。私はその光景に圧倒された。7、8階建ての大型クルーズ船は周辺の商用スクーナー船を圧してそびえ立ち、そのせいで遊覧船が小さく見える。レジャー用のカヤックは、大型船の大きさに圧倒され危うく転覆しそうに見える。

満ち潮になると船が持ち上がり、カヤッカー(カヤックに乗っている人)からの見通しがわずかによくなる。そして、クルーズ船のケーブルを格納している側面のすぐ上まで浮き上がる。一方、大型船の上階のデッキからは、潮の満ち引きに関係なく、状況に変化が現れることもほとんどなく、美しい景観が広がっている。

あなたのチームは、大波に対応できるか?

そこで、次のような疑問がわく。管理職のチームはビジネスの浮き沈みを乗り越えなければならないが、自分たちはどのような船を造っているのか?大きな船の設計図を作成して、建造しているのか?それとも、カヤックから水をくみ出すためのバケツを探すのに、ほとんどの時間を費やすのか?

ビジネスに成長は不可欠である。しかしながら、その実現に向けて大局観を養うことに時間をほとんど割いていないチームが多すぎる。あなたに近づいてくる大きな船による余波へどう対応するかを考えることに日々時間を費やしていれば、何とか水没は避けることができるかもしれないが、それでは、より大きな船で守られる安心感を得ることはできないであろう。

どのチームも日々忙殺されることを望んではいないが、実際にはそのようになってしまう。目の前の非常に多くの課題に対応することで、戦略的な思考や議論に割く時間とエネルギーが失われてしまうのである。

より大きな船を作るために

だからこそ、その時間をひねり出さなければならない。そうでなければ何も変わらない。あなたは、景気後退、顧客の好みの変化、技術革新、競合他社の戦略、そのほか予期せぬ事態など、なんでも乗り切ることができる、航海に適した船を作る必要がある。

どのチームもほぼ例外なく将来について話し合う時間をもっと増やすべきである。皆さんのわずかしかない貴重な時間を無駄にしないため、意識を集中しなければならない。

もし、あなたがここまでの過程に満足していないとしたら、問題は恐らくわかりやすいところにある。それは会議の議題だ。議論ができることは、必ず成し遂げられる。もっと大きな船の設計と性能についての会議の予定を立てる必要がある。

会議の運用を工夫する

効果的なアプローチの一つは、より多くの戦術的な仕事を他の人に委任することである。もう一つの方法は、既存の会議を幾つかに分散することだ。わが社では管理職のチームは月1回、会議を開いて戦略的問題について議論を進め、その後、下位グループが週1回、取り組みと戦術的問題を調整している。それぞれの会議の内容は報告し合っている。

このやり方によって、私たちのチーム同士のバランスが改善され、時間をうまく使っているという自信を持つことができる。運用上の問題はすぐに対処できる一方、戦略的に考える時間も確保している。

会議の前に考えるべき5つのこと

チームが会議を行う際には、以下の行動を心がけるとよい。

  1. メンバーが一同に集まる時間は貴重であることを意識し、それにふさわしい行動を取ること。
  2. 将来を見据えた話し合いや戦略的議論をする時間を確保すること。
  3. 定期的に現在の自分達の姿となりたい姿、そのギャップを明らかにすること。
  4. 戦略上の問題と運用上の問題を扱う会議を別々に開くこと。
  5. 戦略的会議の議題が適切かどうか見極めること。

チームを戦略に集中させる方法は他にもある。たとえば、次のような方法である。

報告事項などは事前に告知しておき、あなたの会議が「報告会」で終わることがないようにする。チームに検討してもらいたい意思決定が必要なデータは、時間に十分余裕を持って事前に提供しておけば、批判的思考(クリティカル・シンキング)を深める時間ができる。また、問題の緊急性と重要性を判断してから議題に挙げることや、大きな会議ではなく、小規模のグループで扱ったほうがよい問題かどうか考えることも重要である。

どんな規模の船でも優れた点はある。小さいほど動きがよくなる。カヤックに乗って、奥まった場所まで入っていくのは楽しい。何が見つかるかわくわくする。将来の成長の可能性を探るために調査したり、技術革新したり、さらには試したりする。必ずパドルは水中に入れたままにし、素早く評価して、実施するかしないかの決定を下す。しかし、潮は満ち引きを繰り返すため、常により大きな船の設計図を用意しておくとよい。

筆者について

スザーン・ベイツ(Suzanne Bates)氏はグローバル経営コンサルタント企業Bates CommunicationsのCEO。同社は世界トップ企業の上級経営者を顧客に持ち、戦略の実行を推進するためのコミュニケーションを支援している。著書に『All the Leader You Can Be: The Science of Achieving Extraordinary Executive Presence』などがある。

【翻訳】Hello, Coaching! 編集部

【原文】Building the Right Boat How Leadership Teams Can Better Navigate the Tides
(2019年9月20日にBatesのResearch and Resourcesに掲載された記事の翻訳。Bates Communications Inc.の許可を得て翻訳・掲載しています。)
Article translated with permission of © Bates Communications 2019


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