Global Coaching Watch

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変化の激しい時代に自己管理能力を伸ばすには?

【原文】How Leaders Can Grow Their Self-Management in Times of Change
変化の激しい時代に自己管理能力を伸ばすには?
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世界が変わり続ける中、多くの企業が、コラボレーション、集合知(集団的知性)、個人の自主性に重点を置いた新しいマネジメント手法を採用し始めている。企業がこのような変革を実施しているのは、世界の変化に迅速に対応するためだけでなく、より良い充実した職場を作るためでもある。

しかし、そのような変革を実現するには、新しいプロセス、新しい働き方、新しい組織構造、各自の高度な自己管理など、多くのチャレンジが必要である。

リーダーが挑むべきことは、変革に伴う混乱や不安ではなく、メンバーがワクワクするような方法でこのような変革を実行することである。

リーダーは、チェンジ・マネジメントの原則に関する十分な知識や、優れたコミュニケーションのスキルはもちろん、変革を実現するため高い自主性、強い忍耐力、そして個人的な目的を持っている必要がある。

リーダーには非常に高い自己管理能力が求められる。リーダーが変革に確固として取り組むことで、組織全体が安定し、他の人はそれを模範とすることができる。

リーダーの自己管理能力を高める方法の一つに、プロフェッショナルのコーチによるコーチングを受けることがある。プロのコーチは、リーダーが課題を俯瞰的に把握するサポートをしたり、変化をつくり出すことによってリーダーを導く。その過程で、リーダーは新しいポジティブな習慣や、自信を持って変革を進めるための戦略を習得することができる。

自己管理能力を伸ばしたいと考えている方や、変革の際に自己管理能力についてコーチングを行いたいと考えている方は、次の6つの領域に重点的に取り組むとよいだろう。

自己管理能力を伸ばすための6つのヒント

1) 感情をコントロールする

人は変化や未知に直面すると、恐れや怒りなどの感情を抱くことが多い。自分の感情を理解し、自分の反応をコントロールすれば、リーダーは周囲からの信頼を高めることができる。高いEQ(心の知能指数)を持つリーダーは、共感を生むコミュニケーションをつうじて、周囲とのつながりを深める。

ヒント:感情的になりやすい状況に直面したときに、すぐに反応するのではなく、俯瞰的に状況を把握して自分自身を観察するにはどうすればよいだろうか?

2) 目標を設定する

今後の状況がどうなるかを見たいがために、状況が変わり続けているにもかかわらず目標をまったく設定しないリーダーもいる。しかし、ジグ・ジグラー(Zig Ziglar)氏が言うとおり、「そもそも的がなければ、当たったかどうかさえわからない。」

未来が不透明でも、リーダーは自分の目標を設定し続ける必要がある。目標があれば、意欲が増し、物事がより明確になり、活動の焦点が定まる。目標は決定を下す際の道しるべとなる。

ヒント:たとえ先の展開が不透明であっても、今後3か月、6か月、12か月でどのような結果を出せたら理想的だろうか?

3) 前進するための計画を立てる

世界は絶えず変化しているため、私たちは詳細な計画やガントチャートを作成するのを避ける傾向がある。しかしそれでも、現時点から未来への道しるべとして5~8の時系列に分けたステップを考えておく必要がある。このような計画は、複雑さを軽減し、これまでと違った方法でビジネスを行うことを可能にし、リーダーが前進するために最善の意思決定を行うのに役立つ。

ヒント:具体的な変革の推進方法に関する計画を定める。いくつかのステップから成る、シンプルで時系列的な計画にする。ここでいう計画とはあなたの戦略であり、単なる活動予定のリストではない。

4) アカウンタビリティを保つ 

優れたリーダーや管理職は、他者の模範となるように、部下に高い基準を求めると同時に自分自身にも高い基準課している。

アカウンタビリティの高いリーダーは、困難な課題に取り組むためのモチベーションと勇気を創造的な方法で見出している。また、彼らは、自分と相手に対する約束を果たすのである。

ヒント:自分を律する人が自分以外にいない場合でも、どうすればアカウンタブルに約束を果たすことができるだろうか?

5) 着実に前進を続ける

変革の実現は、短距離走ではなくマラソンである。すぐには成果が得られないため、「不安を感じて平常心を失い」、突飛な行動を取ってしまう可能性がある。近道をしようとすると、本当の意味での前進を妨げ、時間とリソースを浪費してしまうおそれがある。

ヒント:すぐに結果が出なくても、正しい方向に進んでいることを検証するにはどうすればよいだろうか?

6) 現実に適応する

実際に起きていることは何か?偏った認識や希望的観測を持っていたり、データを誤って解釈していないだろうか?リーダー達は自分の周りの世界を客観的に認識できているだろうか?

今日の世界では、新しいテクノロジーや新しい働き方(リモートワーク、フリーアドレスのオフィス、自己管理型チーム、ITツールで繋がる「バーチャル・チーム」など)に迅速に適応する必要がある。それはつまり、毎日のように習慣を変えなければならないということだ。これまでに学んだことを意識的に捨て、新しい方法を学ぶ必要がある。リーダーは自分の行動を客観的に認識し、それを適応させる方法を理解していなければならない。

ヒント:あなた自身の大きな目標を見失うことなく、柔軟性を保ち、適応し続けるにはどうすればよいだろうか?


これらの6つのヒントに集中して取り組むことで、リーダーは落ち着いて変化に対応し、組織を前進させる能力を高めることができるのである。

筆者について

レンカ・グラコォバ(Lenka Grackova)氏はセルフマネジメントプログラム「REALISER」の発案者(著者)であり、インターナショナルな環境でのビジネス経験を持つ。変革をテーマとしたレクチャーを組織の管理職やビジネスオーナーに対し展開し、セルフマネジメントや組織変革のサポートをしている。

【翻訳】Hello, Coaching! 編集部
【原文】How Leaders Can Grow Their Self-Management in Times of Change
(2019年10月2日にICFCOACHING WORLDに掲載された記事の翻訳。ICFの許可を得て翻訳・掲載しています。)


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