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不確実な時代にエグゼクティブコーチが必要な5つの理由
2021年01月26日
私たちはパンデミックに直面し、それが長続きしないことを願ってから数ヶ月が経った。長期にわたるシャットダウンと混乱の後、私たちはそのことによる大きな犠牲を感じている。しかし、賢明な企業はより大胆に活動している。彼らは毅然と行動しており、今こそイノベーションと成長を推進する時であることを認識しているのである。
そのためには、未来を見通しそれを実現するために、人をまとめることができるリーダーが必要だ。そして、そのようなリーダーたちに求められるレベルはこれまで以上に高くなってきており、確実に成功するためのメンタリング、コーチング、そして真のサポートが必要とされている。
だからこそ、エグゼクティブ・コーチングの需要が大幅に増加しているのである。意外かもしれないが、コーチを雇うことは、この不安定な時代において成果が約束されている戦略である。挑戦して結果を出すことがリーダーに求められている時には、そのリーダーに投資をするべきなのである。
コーチをつけたエグゼクティブたちの事例を以下に紹介する。
リスクは高く、時間は限られているときの選択とは
- テクノロジー企業のCIOであるラジは、市場における会社のポジションに変革を起こすクラウド製品の立ち上げを率いている。彼は、業務を加速させるためにコーチを雇った。このコーチは、会社が迅速に動き、市場シェアを拡大するための複雑な意思決定をコーチングで扱うこと通して、ラジがチームを導く支援をしている。
- 世界的な景気後退で混乱したサプライチェーンのSVPであるステファンは、ビジネスモデルをシフトさせるために必要な変革を推進するために、コーチを探していた。そのプロセスには全面的な変革が必要だが、彼のチームはモチベーションは高いものの比較的経験が浅いスタッフが多い。それを成し遂げるためにはチーム一丸となって取り組む必要がある。彼のコーチは、彼がどのように優先順位をつけ、どこに焦点を当てれば最大の効果があり、効果的にチームを率いることができるかについて、協力してとり組んでいる。
- 製造業のCFOであるカリンは、業務への影響を最小限に抑えながら迅速に完了させなければならない財務リストラを主導している。彼女は同時に、実働部隊との距離を縮め、そのリーダーたちとの連携を図るようにチームメンバーを指導する業務も進めなければいけないのだが、これは彼女にとって新しいチャレンジである。彼女のコーチは、乱立する優先順位を整理し、複雑な問題に対処することで、両方の取り組みを成功させるための支援をしている。
これらのリーダーたちは、コーチとパートナーシップを組み、将来にとって非常に重要であることに取り組んでいるのである。
今すぐコーチを雇うべき5つの理由
1. コーチングは、迅速でリアルタイムな結果をもたらす
優れたエグゼクティブコーチは、ビジネスに精通し、ビジネスを重視している。コーチは、最終的な到達点を念頭に置いてコーチングを開始する。コーチは外部の視点から、組織の歴史や自分に課せられた限界にとらわれずにコーチングのプロセスを見通すことができる。組織のゴールと優先順位が、コーチングの取組みのテーマを決定づけるものとなる。コーチは、リーダーが洗練されたリーダーシップスキルを身につけながら、重要な意思決定を行い、結果を出すように導いていく。
2. コーチをつけることは「絶対に失敗できないこと」に保険をかけるようなもの
(経営者である)あなたが、常に現場にいることはできないし、経営層のためのバックアップがあることを知っておく必要がある。コーチは、経営層らが問題ではなく解決策をあなたのところに持って来ることができるように、彼らへ質問をすることで彼らが自ら取り組むことを支援する。コーチは、彼らとデリケートな問題についても話し合っているため、あなたはリーダーとの時間を有意義に過ごすことができる。
3. コーチングは、リーダーに心理的なセーフティネットを提供する
大きな役割を担うリーダーが昇進していくには、「やればできる」という姿勢が必要である。しかし、様々な仕事を成し遂げていくその裏では、心配して眠れなくなることもある。早急に学習する必要があるとき、また、大胆な行動をとって最高の状態になる必要があるときに限って、彼らのエネルギーと創造性はストレスによって消耗していく。コーチは、リーダーがリラックスして、集中し、ポジティブな態度で新しいことにチャレンジする自信を彼らに与えるのである。
4. 外側からの視点は、不確実な時代に自信を与える
偉大なコーチは、クライアントと共にいて、すべてを見ており、避けようのないアップダウンや変化球にあまり驚くことなく、また成熟した視点を示す。コーチは決してリーダーの問題を解決するべきではないが、思考のプロセスをサポートし、意思決定をより速く、より簡単に、より効果的な方向へと導いていく。リーダーがコーチングによってクリティカルシンキングのスキルを身につけることができれば、不慣れなことに直面した場合でも、明確さと確信を持って物事を進めていくことが可能になる。
5. リーダーは時間を無駄にしたくない
今、リーダーはこれまで以上に結果を出さなければならず、競合他社も同じように最善の努力をしている。ライバルやライバル企業も、「様子見」をしている余裕はないのである。多くの問題を「昨日」までに解決しなければならないというのも、沢山の課題が山積しているからだ。コーチとの対話があれば、リーダーは素早く、そして賢く考え、最も重要な課題に集中することができるようになる。
今こそ動き出す時であり、あなたのリーダーはサポートを必要としている。未来は、そこにかかっている。コーチングは、リーダーが最高の状態になることで、組織が成長できるように支援することを目的としているのである。
筆者について
スザーン・ベイツ(Suzanne Bates)氏はグローバル経営コンサルタント企業Bates CommunicationsのCEO。同社は世界トップ企業の上級経営者を顧客に持ち、戦略の実行を推進するためのコミュニケーションを支援している。著書に『All the Leader You Can Be: The Science of Achieving Extraordinary Executive Presence』などがある。
【翻訳】Hello, Coaching! 編集部
【原文】5 Bold Reasons to Hire a Coach Now: Counterintuitive Advice in Uncertain Times
(2020年9月1日にBatesのResearch and Resourcesに掲載された記事の翻訳。Bates Communications Inc.の許可を得て翻訳・掲載しています。)
Article translated with permission of © Bates Communications 2021
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