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エグゼクティブ・プレゼンスー「相手と共にいる」意識を高めるには

【原文】How to Increase Executive Presence
エグゼクティブ・プレゼンスー「相手と共にいる」意識を高めるには
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「相手と共にいる」意識を高めるには

「相手と共にいる(present)」というスタンスの人と会話をしていると、そのことを感じることができる。それは、自分が大事にされている、聞かれている、自分の発言が大切にされているという感覚である。それは心地よく、もっとそうしていたいと思うものだ。しかし、目の前の相手と本当の意味で「共にいる」ことが出来る人はとても少ない。だからこそ、そのような人と、今、ここに一緒にいることを感じられると、そのことにはっきりと気づくのだと思う。私たちは忙しく、家庭でも職場でも、速いスピードの中で日々を過ごしているからこそ。

2018年、CoachSourceのCEOであるブライアン・アンダーヒル(Brian Underhill)氏は、エグゼクティブ・コーチングの主な目的について発表している。予想通り、トップ3は次のようなものだった。1位は「リーダーシップ開発」で84%、2位は「トランジション」で55%、そして3位は「エグゼクティブ・プレゼンス」で45%だった。私が注目したのは、回答者の45%が「エグゼクティブ・プレゼンス」と答えたことだ。このことにより、私たちはどんなに忙しくても「相手と共にいる(being present)」ことを心掛けるべきだと、私は考えるようになった。

リーダーは、周囲の人に影響し、刺激を与えたいと思っている。そのために、よい関係を築き、相手にとってよきパートナーとなるように努めている。このことを称して「エグゼクティブ・プレゼンス」と呼ばれることが多い。しかし、これは実際には何を意味するのか?もっと具体的に考えていこう。相手と共にいること、理想的にはその感じが自然と滲み出ていること、それは人としてとても魅力的である。そこには次のような要素が含まれる。

  • 相手に対して最大限に意識を向けている(上の空で対峙するのではなく)
  • 知らないことやリスクを負うことにオープンである
  • 相手をもっと知りたいという好奇心を示している
  • 相手を観察し、共感し、すぐに反応している
  • 相手のパートナーになり、対等に関わっている(上下関係ではなく)

「でも、待ってください。私は忙しいのでそんなことをしている暇はありません。私は経営者であり、リーダーであり、マネージャーであり、親であり、パートナーであり、家事、家族、チーム、組織、会社を切り盛りしているんです。」となりがちだ。
しかしながら、家族、友人、同僚、顧客など、あなたの周りにいる人たちとより良い関係を築くことを学ぶのに、遅すぎるということはないし、ましては早すぎることもないのだ。

「相手と共にいる」意識を高めるための5つのステップ

  1. 「相手と共にいる」状態をつくることは可能であり、すでにやっていることに気づく
  2. 自分が完全に「相手と共にいる」と感じられる場合と、そうでない場合の相手との関わり方の違いに注意を払う。それぞれにどのような影響があるのか?
  3. 「相手と共にいる」ことを自ら選択しよう。小さなことから始めてみるといい。たとえば、あなたの子どもたちに対して。子どもは、大人が今自分と共にいるかどうかを敏感に感じとる、繊細なレーダーを持っている。
  4. 自分がどう感じるかに気づこう。手がかりとなるのは、相手と関わった後にエネルギーが(下がるのではなく)高まることを意識することだ。
  5. 気持ちが落ち着いていないことに気づいたら、今、ここにいる自分に意識を戻してみよう。リラックスし、自分の内部の思考システムを静かな状態にする。この瞬間は、過去や未来への考えに気をとられる必要は全くない。焦点を目の前の相手との関わりの場に戻して、内なる対話に集中しよう。

新しいスキルやプロセスを学ぶとき、私たちは以下の図の「意識と能力の4象限」を移行していくことを意識してみて欲しい。この道のりでは、様々な学習の段階を体験するが、その中で自分の能力への自信についても様々なレベルを体感するだろう。自分をよく観察し、かつ自分に優しく接して欲しい。特に、「無能であることを意識している」ステージでは(おそらく、そのステージはきついステップだと思う!)。忍耐づよく実践を重ねることで、あなたは有能のステージに移行し、そして理想的にはマスターの域に到達するだろう。


【筆者について】
ベリンダ・マッキンネス(Belinda MacInnes)氏は、国際コーチング連盟(ICF)マスター認定コーチ(MCC)。1999年にコーチングのキャリアを開始し、グローバルで複雑な職場環境におけるエグゼクティブ・コーチングに従事している。

【翻訳】Hello, Coaching! 編集部
【原文】How to Increase Executive Presence
(2020年5月15日に Coach U Insights に掲載された記事の翻訳。Coach Uの許可を得て翻訳・掲載しています。)


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