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「信頼」とは何を本当に意味するのか?

【原文】What Does Trust Mean?
「信頼」とは何を本当に意味するのか?
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「信頼」という言葉は、多くの組織で頻繁に使われている。信頼を築き、維持することが非常に重要であることはだれもが理解している。しかし、「あなたを信頼しています」「あなたを信頼していません」「このチームには信頼に関する問題があります」と言うとき、私たちは実際には何を意図しているのだろうか?

「信頼」という言葉が意図すること

残念ながら「信頼」という言葉は、はっきり意図せずに使われていることが多い。私たちはこの「信頼」という言葉をさまざまな意味合いで使っているが、その明確さの欠如が多くの混乱を招くこともある。

たとえば、あなたが私に話したことを秘密にしておくことについては、信頼してくれていいが、その私が、あなたの心臓切開手術ができるかどうかについては、どうか信頼しないで欲しい。

私のクライアントが信頼について話すとき、私は彼らの意味するところの信頼とは何を意図しているのかを明確にするように頼んでいる。そうすることで、対話がより明確になるし、何に焦点を当てているのかを明らかにすることができる。

「信頼」を具体化する11の言葉

私は以下のように、「信頼」を「C」で始まるさまざまな言葉になぞらえて考えることにしている。

  • Competence(能力):あなたには仕事をこなす能力があることを信頼している。
  • Confidence(確信):あなたに何かを任せると、あなたは質の高い仕事をしてくれることを信頼している。
  • Confidentiality(秘匿性):私が秘密にしておいて欲しいと依頼すると、あなたはそれを守ってくれるという信頼がある。
  • Caring (大切にする):あなたが私を一人の人間として本当に大切にしてくれて、私の味方でいてくれることについて信頼をおいている。
  • Congruence(整合性):あなたが自分で言ったことは実行し、言葉に忠実であることを信頼している。
  • Candid(率直さ):たとえ不快なことであっても、本音を話してくれると信じている。
  • Character(人格):あなたが誠実であること、自分にとって有意味な価値観を持ち、それに基づいて生きようと努力していることを信頼している。
  • Compassion (コンパッション:思いやり):私のことを気にかけてくれるだけでなく、親切で繊細な対応をしてくれると信じている。
  • Conscientious(誠実):あなたが細部にまで気を配ってくれることを信頼している。
  • Communication(コミュニケーション):話し言葉や文章でアイディアを共有するスキルを持っていることを信頼している。
  • Clear and conscious(明確で意識的):自分のことをよく知っていて、やる気が起きないときは私に率直に伝え、自分の限界を知っていて、自己認識を深めていることを信頼している。

たとえば、私はある人について仕事をする「能力」があると信頼していても、その人が実際に優先順位をつけて実行し、質の高い仕事をやり遂げてくれるかどうか「確信」が持てないことがある。それは恐らく、その人が自分の能力を十分に発揮するほど私の依頼を「大切に」思っていないのではないか、その人は「誠実」ではないかもしれない、また、問題が起きても「率直」に話してくれない、と感じるからだ。

信頼の問題は職場文化に起因する

「信頼」という言葉を使わないようにするか、少なくともその意味を明確にしておくことを私は勧める。「このチームには信頼についての問題がある」というときは、与えられた仕事を遂行する能力がないことなのか?それとも、お互いに裏で責め合っていることなのか?それとも、自分に不利になるかもしれないと思い、安心して本音を言い合えないということなのか?問題を明確にすれば、より直接的にそのことに対処することができる。

そして、どのような信頼の問題が存在するかを特定する際には、それが個人に属する問題というよりも、あなたの職場の文化や状況にどの程度影響されているかを問うことも重要だ。私の経験では、信頼の問題は多くの場合、個人よりも文化に起因している。レイオフを恐れて情報をタイムリーに共有しなかったり、自己防衛のためにやってもいない仕事を自分の手柄にしてしまったりする場合などが例として挙げられる。

協調よりも競争を重視したチーム運営が行われると、メンバーは互いに対立し、少ない報酬をめぐって争い、他人を犠牲にして自分の評価を上げようとする。また、質の高い仕事をするためのツールや時間が与えられていない組織では、約束したものを提供することができず、周囲の期待を裏切ることになりがちだ。支配的なヒエラルキーの下では、トップは質問されることを望まず、それでもあえて質問した者は公然と、あるいは非公然に罰せられるため、人々が本音を語らない文化が醸成される。

あなたが「信頼」という言葉を使うときに何を本当に意図するのかを考えてみて欲しい。この記事がその助けになることを私は信じている。


【筆者について】
ジョエル・M.・ロッタイザー(Dr. Joel M. Rothaizer, MCC)博士はClear Impact Consulting GroupのCEOで、エグゼクティブコーチと組織コンサルタントとして30年以上のキャリアをもつ。エグゼクティブ・コーチング、リーダーシップ開発、組織・チームの効率性を高める取り組みを専門分野としている。Forbes Coach Councilのオフィシャルメンバー。

【翻訳】Hello, Coaching! 編集部
【原文】What Does Trust Mean?(2019年11月1日にForbes Coaches Councilに掲載され、2021年10月18日に Coach U Blog に掲載された記事の翻訳。許可を得て翻訳・掲載しています。)


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