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一流のチームリーダーに求められる資質とは?

【原文】Top Qualities of a Good Team Leader (And How to Develop Them)
一流のチームリーダーに求められる資質とは?
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生まれながらにして優れたリーダーという人はいない。他のハードスキルやソフトスキルと同様、リーダーシップの資質は、意識的で一貫した学習とトレーニングによって培われる。

一流のリーダーシップの資質には、多くの要素が含まれるが、その中でもより重要な資質がある。必要なスキルは役割や業界によって異なるが、この記事では我々の包括的なアプローチによって定めた、優れたチームリーダーの資質トップ7を紹介する。

ベテランリーダーも新米リーダーも、改善すべき点を見出すための出発点として、ぜひ活用してほしい。以下は、我々が策定した優れたチームリーダーの資質トップ7である。

1. モチベーション

ハーバード・ビジネス・レビュー誌の調査によると、リーダーにとってモチベーションは最重要資質であることが明らかになった。それはもっともだろう。モチベーションがなければ、リーダーはどのようにチームメンバーを鼓舞し、後押しできるだろうか?

モチベーションを高めるには?

モチベーションを高めるには目的を見つけ、その目的を達成するための道筋を明らかにすることが必要だ。ここでは、あなたがモチベーションの高いリーダーに変容し、チームを鼓舞するための具体的な方法を紹介する。

明確なトピックを設定し、1対1のディスカッションを頻繁に行う
以下のような質問を用いて、チームメンバーと対話をしてみよう。

  • チームメンバーは何を最も大切にしているか?
  • 彼らの目的意識はどこから来るのか?
  • 彼らが自身の役割の中で最も楽しいと感じるのはどの分野か?
  • 長期的な視野で、自分自身をどのように捉えているか?
  • 彼らの責任の範囲を変更することで、彼らがより目標に近づけるような方法はないか?

これらの点は、あなたとチームメンバーが共通の目標に向かっていくために役立つ。さらに重要なのは、こうした話し合いによって、双方が自己を開発する機会を見出すことができるようになることだ。

チームのパーパス・ステートメントを考える
パーパス・ステートメントは、チームと組織の両方に対して、チームの目標を掲げるもので、明確かつ具体的でなければならない。そのステートメントは、チームメンバーがチームの目標にコミットし、互いに主体性をもち、モチベーションを維持することを促す。

2. 勇気

プロフェッショナルとしてのキャリアにおいて、衝突(コンフリクト)は避けられないものだ。リーダーは、困難に直接立ち向かう勇気を持ち、チームメンバーに自信と気概を身につけさせなければならない。

勇気を身につけるには?

アサーティブに自己主張することを練習する
強く、自己主張のできるリーダーは、結果を出し、逆境や抵抗に打ち勝つことができる。境界線を押し広げ、自分とチームのために立ち上がることが必要な状況は常に存在する。断り方を練習し、言いたいことを言うリハーサルをしておこう。最初は不快に感じるかもしれないが、練習を重ねるうちにあなたとチームを前進させるための勇気が湧いてくるだろう。

チームメンバーと協働する
優れたリーダーは、チームメンバーと問題を議論し、そのフィードバックを受けることの価値を理解している。これは、コラボレーションを促進するだけでなく、建設的で適切な意思決定を行う上でも役立つ。チームメンバーのサポートがあれば、自信を持って今後の決断を下すことができる。

上手に権限委譲する
勇気あるリーダーは、チームメンバーに責任ある仕事を任せ、彼らがそれをやり遂げると信じている。どのようにかというと、彼らは、チームの長所と短所を理解し、その両方を活用して障害を克服し、チームメンバーが互いに助け合うことを奨励する。

ここでは、2つの例を紹介する。

  • データ分析に精通した担当者に四半期末のプロジェクト報告書を作成してもらうことで、あなたがより適切な予算配分を行うことができる。
  • 長期的な戦略を練るために、二人一組でチームを構成する。このとき、細部にこだわる人と先見性のある人をそれぞれ一人ずつ入れるようにする。

3. 謙虚さ

成功するリーダーは、自信に満ちていながら謙虚でもある。謙虚なリーダーは、指導はしても指示はせず、常にチームメンバーを励まし、彼らのベストを引き出す方法を見つけようとする。

謙虚なリーダーは、よりパフォーマンスの高いチームをつくることができ、また、聞き上手でもある。

謙虚さを身につけるには?

謙虚さを身につけるには、以下のことに注意してほしい。

自分の間違いや欠点を認める
謙虚なリーダーは、自分がその場で最も賢い人間ではないことを理解している。彼らはこのことがよく分かっており、他人から学ぶことができることを知っている。失敗をしたら、それを認めよう。弱さを受け入れることで、あなたのチームメンバーも同じような行動をとるようになる。

フィードバックを行動に移す
間違いを認めたら、それを克服するために必ず行動を起こそう。どのように間違いを正すかをチームに示し、必要であれば意見を求めよう。誠実でオープンなリーダーシップを発揮しよう。

チームメンバーへのサポートと感謝を表現する
プライドと自己重要感が過剰なリーダーは、チームの利益ではなく自分のことしか考えていないことがメンバーに伝わる。リーダーたるもの、他者の貢献を認め、その功績を讃えることが肝要だ。

4. 優れた傾聴のスキル

優れたリーダーは、積極的に人の話に耳を傾ける。直感的な傾聴力は、強力なコミュニケーションと信頼できる人間関係の基礎となるものだ。私たちの知識の85%は聞くことによって得られるはずなのに、私たちは25%の理解度でしか人の話を聞いていないのだ。

傾聴力を身につけるには?

社員は、自分のリーダーが本当に自分の話を聞いてくれていると信じたいものだ。ここでは、傾聴のスキルを高めるための方法をいくつか紹介する。

視線を合わせる
チームでの会話では、気が散らないようにする。相手の話に集中していることを示すために、視線を合わせよう。

話をさえぎらないようにする
傾聴とは、チームメンバーが自分の考えや懸念を表現するための場を提供することだ。相手の思考と対話の流れを中断してはいけない。双方向のコミュニケーションを尊重することだ。

非言語的な合図に気を配る
うなずき、適切な表情や姿勢をとり、相手のボディランゲージに気を配ることで、相手の言葉に反応しよう。あなたが会話に注意を払っていることを示そう。

フォローアップの質問をする
相手の状況を総合的に理解するために、フォローアップの質問をしよう。そうすることで、自分の知識を深め、相手の情報や考えを探ることができる。このことは、あなたが相手との対話を気にかけていることを示し、あなたの相手への関心と相手をサポートしたいという意欲が伝わる。

5. エモーショナル・インテリジェンス(感情知性)

エモーショナル・インテリジェンスは、その人の存在感、態度、選択が他人にどのような影響を与えるかを認識するためのものだ。リーダーシップの可能性を評価する際に、欠かせない差別化要因となる。ハーバード・ビジネス・レビューによると、ハイパフォーマーの90%は、IQやハードスキルが同じでも、感情知性の差が出るという。

エモーショナル・インテリジェンスを持つリーダーは、より良い職場環境と文化を促進することができる。Adastrum Consultingのマネージングディレクターであるクリス・アンダーウッド氏が説明するように、感情知性を備えたリーダーは次のような人物である。

  • 多様性とチームのバランスを大切にする
  • チームメンバーや戦略への動機づけ、影響力、インスピレーションが与えられる。
  • 重要な決断を下す際に、新しい視点を求める。

エモーショナル・インテリジェンスを身につけるには?

感情的知性を身につけるためには、適切なタイミングで適切に対応する方法を理解する必要がある。それには、以下のような特徴を含んでいる。

自己認識
95%の人が自分は自己認識があると考えているが、実際には10~15%の人しか持っていない。360度フィードバックを実施することで、自分の行動、気分、感情が周囲にどのような影響を与えるか、より深く理解することができる。あなたはどのように改善できるだろうか?

自己規制
慌てて反応することなく、適切な対応をするために、一旦立ち止まり、対処し、振り返る時間をとろう。冷静さを保つことは、より安全で健康的なチーム環境を促進する。

社会的スキル
チームメンバーの個性や仕事のスタイルを知ろう。より良いコミュニケーションをとり、仕事上のより良い関係を築くために、チーム内でこれらを共有するよう促そう。

詳しくは、「職場におけるエモーショナル・インテリジェンスの育成方法:ヒントと戦略」を参照して欲しい。

6. 優しさ

親しみやすさと、チームメンバーを助けたいという気持ちから来る真の優しさも、優れたチームリーダーの重要な資質だ。優しさは、感謝の気持ちを引き出すだけでなく、共感や思いやりも促進することが研究で明らかになっている。優しさは、チームメンバーとの信頼関係を築き、チーム全体の幸福を維持する上で大きな役割を果たす。

優しさを身につけるには?

優しさを示すことは、あなたの人に対する反応や接し方に意識を向けることだ。

感謝の気持ちを表す
誰かが目標を達成したり、手を貸してくれたりしたら、その時間と労力に感謝しよう。

恨みの気持ちをリリースする
チームメンバーの利益を最優先し、意見が対立する相手とも共通点を見出すようにしよう。恨みを持つことは、人と距離を置き、チームワークを低下させるだけだ。

共感の実践
共感は、最も重要なリーダーシップのスキルと考えられており、優れたリーダーはその価値を知っている。共感力のあるリーダーは、判断するのではなく、チームメンバーの視点を理解し、その深い理解に基づいてより良い解決策を導き出すのだ。

相手のことを考える
優れたリーダーは、チームの利益を最優先に考えて行動し、親切心を実践していく。チームが前進できるような機会を常に追求する。

人間関係の構築に時間をかける
チームメンバーのことをよく知ろう。人とつながろうとすればするほど、信頼とオープンな対話、そして透明性のある環境を作ることができる。

7. 先見性

あなたがリーダーとしてとる行動は、最終的にあなたを定義し、人はそれに対して尊敬を抱く。放送業界の幹部だったドナルド・マッギャノン氏は、「リーダーシップは行動であり、地位ではない」と述べている。

重要なのは、何かが起こったときにただ対応するのではなく、成功の可能性を高めるために先見性をもって行動することだ。先を見越した行動を心がけることが、チームとビジネスの長期的な存続につながる。

先見性を身につけるには?

先見性をもったマインドセットを身につけるには、次のようなことが必要だ。

未来に目を向ける
あなたは、なんらかの障害や驚くような出来事に直面しているかもしれない。そこから何を学ぶことができるだろうか?どのように行動すれば、将来的にチームを守ることができるだろうか?改善策を考え、それをチーム内で共有し、さらに議論していこう。

大局的に考える
日々の決断を下す際には、チームや組織の目標を常に念頭に置いて欲しい。その決断は、目標の妨げにならないか、もしくは推進力になれるか。このような視点を持つことで、より戦略的なリーダーになることができる。

シナリオを考え抜き、バックアッププランを用意する
新しい取り組みに着手するときは、それがもたらすであろう複数の結果を考え、それぞれに対応する計画を立てておこう。そうすることで、競合他社に一歩先んじた準備ができる。

一回に一つの問題を解決する
デズモンド・ツツはかつて、「象を食べる方法はただひとつ、一度に一口づつだ」と言っている。問題に優先順位をつけ、ひとつずつ解決していくことで、それぞれの問題にふさわしい集中力を発揮することができる。

この7つのリーダーシップ要素のうち、今年取り組むべきものは何であれ、すべては模範を示すことであることを忘れないで欲しい。あなたが最高の自分であることができれば、チームのメンバーはそれに続くだろう。この25のベストリーダーシップのウェブサイトをブックマークしておけば、今すぐ貴重なバーチャルのメンターたちを得ることができる。


【筆者について】

CMOEチーム
CMOE(Center for Management & Organization Effectiveness)のデザインチームは、多様な強み、才能、教育、経験を持ち、CMOEのクライアントにユニークなサービスを提供するために集まったメンバーで構成されている。メンバーは経営学、心理学、コミュニケーション、人事管理、組織開発、社会学などの分野で高度な学位を修得し、豊富な知識を持つチームである。

【翻訳】Hello, Coaching! 編集部
【原文】Top Qualities of a Good Team Leader (And How to Develop Them)
Center for Management & Organization Effectivenessの許可を得て翻訳・掲載しています。)
Article translated with permission of Center for Management & Organization Effectiveness.


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