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リーダーにマインドフルネスが必要な本当の理由

【原文】The Real Reason Leaders Need Mindfulness
リーダーにマインドフルネスが必要な本当の理由
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なぜ、リーダーにマインドフルネスが必要なのか?

ほとんどのリーダーは、なぜマインドフルネスが自分の能力や効率性を高めるために不可欠なのかを理解していない。せいぜい、マインドフルネスをストレス解消やリラクゼーションのテクニックとして捉えている程度だ。このコラムでは、あなたがさらに優れたリーダーになるために役立つマインドフルネスの2つの異なる側面について解説する。これを通して、マインドフルネスを探求してみて欲しい。

マインドフルネスが必要な第1の理由は、私たちの脳にすでに組み込まれている、自動操縦や 「習慣モード」という脳の生来の傾向を克服する必要があるからだ。脳は安価な燃料で動くことを好む。前頭葉の実行機能を働かせるには、皮質下領域の自動プロセスを動かすよりもかなり多くのリソースを必要とする。悲しいことだが現実には、私たちの多くは1日の大半を脳の「習慣モード」を動かしながら過ごしている。それは、私たちが効率的に行動していないという意味ではない。もし日中に「自分自身を目覚めさせ」、自分が実際に何をしているかを振り返り、より意識的な選択をすれようになれば、私たちはもっと有能になれるはずだということだ。

どうすれば自分の行動を振り返れるのか?

まず、私のエグゼクティブ・コーチングのクライアントには、毎日の生活に振り返りのプロセスを組み込んでもらうようにしている。そして、リーダーシップの全体的な機能を向上させるために、1つか2つの領域を特定するよう求めている。これは、360度フィードバックから得られたデータ、たとえば、聞き上手になるとか、他者の視点をより効果的に取り入れるといった領域のことだ。

そして、毎朝、その領域の質を振り返り、それが1日のうちにどのように起こるかを考えるよう求めている。1日の終わりに数分の時間をとり、実際に起こったことを書き出し、やってみたこととその結果、チャンスを逃したところなどを自分で認識してもらうようにしている。これは、私たちの心の中に潜む「内なる批評家」としてではなく、思いやりと好奇心に満ちた気持ちから行うことが重要だ。脳科学によれば、このことをただ考えたり、答えをタイプしたりするのではなく、手書きで行う方がより多くの脳を働かせることができ、その結果、多少なりとも良い結果が得られるのだそうだ。この振り返りを毎日を実践している私のクライアントは皆、それが仕事や私生活にポジティブな影響を与えていると述べている。

次に、私はクライアントに、行動と振り返りの短いサイクルを1日の中で何度も持つように勧めている。誰かとのやりとり、チームミーティング、コーチングセッションなどのたびに前後30秒の時間をとるのである。たとえば、部下とのミーティングに入るとき、脳が自動操縦する代わりに、「このミーティングを終えたとき、部下にどのような体験をしてほしいか」と自分に問いかけてみて欲しい。自分のためだけでなく、彼らのために何を望むかから始めるのだ。

振り返りの時間をとることの良さには、方向性がより明確になるといった仕事に関連する側面もあれば、より信頼される、あるいは自分が誰かをサポートしていることに気づくなど、人との関係に関連する側面もあるようだ。そして、こういった効果をより確かなものにするために、自分に何が必要なのかを考えてみて欲しい。セッションの最後に、実際に起こったことを振り返り、そこからあなたが何を学ぶことができるかを考えてみて欲しい。脳が本来持っている否定的なバイアスを回避し、ポジティブなことをした自分を必ず認めよう。

これを実行している私のクライアントは例外なく、このように述べている。1日を通して行動と振り返りを短いサイクルで繰り返すことは、少しの時間をかけるだけで自分のパフォーマンスのみならず、チームや組織のパフォーマンスや体験にとても大きな効果があると。

マインドフルネスを身につける2つ目の理由は、アイデンティティの変化が徐々にもたらされるからだ

これは奇妙に聞こえるかもしれないが、 説明しよう。

私たちの無意識のアイデンティティは、自分の思考や感情にすでに埋め込まれている。本物のマインドフルネスの練習をすることで、私たちは一歩下がって、それらの思考や感情がそこに「ある」のではなく意識的に「持つ」ことが可能になり、その結果、仕事や私生活でより良い選択ができるようになる。私たちは徐々に自分が習慣的に行っている傾向に対して、好奇心と思いやりをもって自ら観察するようになり、より多くのことに気づいていく。そうすることで、より意識的に、より深く自分自身の価値観と一致する方法で、今よりも自由に行動できるようになるのだ。

私のクライアントは、後で後悔するような行動(たとえば、反応的になっているときに、メールの「送信」ボタンを押してしまうなど)をとってしまう傾向がはるかに減り、自分自身と周囲の人にとってより良い選択をする可能性がはるかに高くなったと述べている。

重要なのは、これらのことを「意志」だけで実現することはできないということだ。楽器やスポーツを上達させるために練習が必要なのと同じように、練習が必要なのだ。これは時間をかけて、徐々に高めていく能力なのである。

この記事が、仕事や私生活でマインドフルネスの価値を探求するきっかけになれば幸いである。あなたの行ったことが、あなたを幸せにすると信じている。


【筆者について】
ジョエル・M.・ロッタイザー(Dr. Joel M. Rothaizer, MCC)博士はClear Impact Consulting GroupのCEOで、エグゼクティブコーチと組織コンサルタントとして30年以上のキャリアをもつ。エグゼクティブ・コーチング、リーダーシップ開発、組織・チームの効率性を高める取り組みを専門分野としている。Forbes Coach Councilのオフィシャルメンバー。

【翻訳】Hello, Coaching! 編集部
【原文】The Real Reason Leaders Need Mindfulness(2020年6月15日に Coach U Insights に掲載された記事の翻訳。許可を得て翻訳・掲載しています。)


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