マネジメントに変化を起こしたいなら、スキルを学ぶよりまずは部下と話す時間をつくること。毎回じっくりと話す必要はなく、日常の必要な場面で短く話すことのつみ重ねが、やがて部下やあなたのマネジメントに変化をもたらします。その最初のステップや「1on1ミーティング」にも活用できるヒントがここに!
事例で学ぶ 1on1(25) 「1on1」の3つの原則
2020年09月29日
人を育て、活かすのがうまい「ネイティブ・コーチ」たち。彼らのコミュニケーションを特徴づける「3つの原則」を今回はまとめてご紹介します。
関連記事:事例で学ぶ 1on1(3) ネイティブ・コーチに学べ!1 インタラクティブ(双方向)
ネイティブ・コーチたちの接し方、会話の創り方を観察すると、共通していることがあります。その1つは、彼らは一貫して「双方向のコミュニケーション」を創り出すこと。そして、一方通行にならないように注意し、どちらかといえばよく聞きます。また、コミュニケーションを交わすときには、「対等」で「平等」な立場を築きます。
2 テーラーメイド(個別対応)
あるネイティブ・コーチはこう言っています。
「誰にでも同じマネジメントをしてはだめだ、8人部下がいたら、8通りのマネジメントがあるんだ」
関連記事: 事例で学ぶ 1on1(1) 8人の部下には、8通りのマネジメント
一人ひとりの体形に合わせて洋服を作るテーラーメイドと同じように、マネジメントも、一人ひとりに合わせて行わなければ、部下の能力を引き出すことはできない、とネイティブ・コーチは考えています。
人はそれぞれ違います。誰にでもうまくいく方法はありません。ネイティブ・コーチは、1対1のコミュニケーションを通して、部下が自分で考え、自分から行動を起こし、自分で評価できる能力を引き出します。
3 オン・ゴーイング(現在進行形)
ネイティブ・コーチは、部下に仕事を丸投げせず、十分なフォローアップをします。実際に業績の上がっているチームは、上司の部下に対するフォローが行き届いています。
ネイティブ・コーチは、部下と彼らの仕事の進捗に、「点」ではなく、「線」で、オン・ゴーイング(現在進行形)で関わっています。その会話は、決して劇的なわけでもなく、内容も深刻ではありません。
また、コミュニケーションを交わしていて、結論を急がない、という特徴もあります。さらに、彼らは教えたがりではありません。むしろ部下に質問し、部下が自分で考え、自分から行動が起こせるようにコミュニケーションを発展させます。
最初は、コミュニケーションの量を増やすことが大事です。それは1回に多くの時間をとるという意味ではなく、コミュニケーションの回数を増やすことを意味します。仕事の最初と終わりだけではなく、中間も、そのまた中間も、コミュニケーションを持つ。ひとつの仕事のはじまりから終わりまで「オン・ゴーイング(現在進行形)」で、コミュニケーションを交わす機会を作ります。
(『「小さなチームは組織を変える―ネイティブ・コーチ10の法則」』伊藤守著より抜粋編集)
●インタラクティブ(双方向)、テーラーメイド(個別対応)、オンゴーイング(現在進行形)のうち、あなたが得意なのは?
3つのうち、あなたが得意なもの、普段から意識しているものはどれでしょうか?
逆に、苦手なもの、普段はあまり意識していないものはどれでしょうか?
苦手なものは、ぜひモデル(うまくやっている人)を見つけて、そのモデルの取り組み、あり方を真似してみましょう。
そして、得意なものは、あなたの強みとして、さらに磨いていきましょう。
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