コーチングは基本的に「1対1」で行うもの。それがチームの活性化や組織開発にどのように機能・作用するの!?そんなお声にお応えすべく、「チームとコーチング」「組織とコーチング」について扱う記事をまとめました。
未来を共創する経営チームをつくる(4)チームに 「気持ちのつながり」 があるか
2022年08月18日
ハイパフォーマー集団だからこそ、チームになるのが実は難しい経営チーム。
組織の成長・変革を牽引する「経営チーム」のつくりかたのヒントを、エグゼクティブコーチがお伝えします。
人の集まりに与えられる言葉は、チームの他にもたくさんあります。
集団、グループ、ユニット、クラスター...。それぞれの言葉には独自の "意味合い" があり、人の集まりにそれぞれの "ニュアンス" を与えています。
さて、 "チーム" という言葉は "人の集まり" にどんなニュアンスを与えているでしょうか。
「私たちチームだよね!」と言うとき、そこには「私たちには、つながりがあるよね」「気持ちがつながっているよね」というニュアンスが含まれているように思います。
実際、「私たち集団だよね」「私たちグループだよね」「私たちユニットだよね」とは、あまり言いません(もちろん「私たちクラスターだよね」とも)。
チームという言葉は、単に人の集まりの形式を表す言葉ではなく、 "集団としての性質" を内含している表現ではないかと思います。 "気持ちや感情のつながりがある集まり" がチームなのであり、逆にいえば、チームという名称を使っている人の集まりには、気持ちや感情のつながりが、暗黙のうちに期待されているということになります。
「うちの経営陣はチームになっていないよね」と外側から見て言われるとき。「俺たち経営陣はチームになっていないね」と内側の一員として表現するとき。
そこで一義的に表現されていることは「役員間に "気持ちのつながり" が十分にない」ということであるように思います。
経営はプロがやるものであり、CFO(最高財務責任者)・CHRO(最高人事責任者)・CTO(最高技術責任者)など、それぞれの分野のプロが、プロとしての責任を果たして、全体を前に進めるべきだという考えもあるでしょう。
"経営チーム" ではなく、"プロ経営者のグループ" で経営を進めていくーそこに気持ちのつながりはそれほど強く求めない。それで十分にパフォーマンスは発揮できるわけだし...という考え方もあります。それも選択だと思います。
ただ、もし "チームであることを選択する" ならば、あるいは "経営チームがチームであることを求めている" ならば、それは "役員間に気持ちのつながりを求めている" ということです。そして、その "つながりがもたらす何か" に期待しているということです。
気持ちのつながりをそこに生み出すことをあきらめてほしくない。せっかく、一緒に船を未来に向けて、人生を賭けて、進めているわけですから。
エグゼクティブコーチとしてはそう思うわけです。
〜『未来を共創する経営チームをつくる』第2章より抜粋編集
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