コーチングは基本的に「1対1」で行うもの。それがチームの活性化や組織開発にどのように機能・作用するの!?そんなお声にお応えすべく、「チームとコーチング」「組織とコーチング」について扱う記事をまとめました。
未来を共創する経営チームをつくる(6)チームの現状を捉えるーメタコミュニケーション
2022年09月15日
ハイパフォーマー集団だからこそ、チームになるのが実は難しい経営チーム。
組織の成長・変革を牽引する「経営チーム」のつくりかたのヒントを、エグゼクティブコーチがお伝えします。
「こういうチームになるんだ」というコンセンサスが取れたら、次はチームの現状を捉えることです。
- 自分たちはチームとしてどういう状態にあるのか?
- チームとしての目標を持ち、全員が単にブレークダウンされた個々の目標について動くだけでなく、全体の目標達成に向けて動いているか?
- おたがいの間に、何を生み出そうとして、共創しているか? 総和は部分の足し算以上のものになっているか?
- おたがいに気持ちのつながりを感じ、ひとつのまとまりとして存在している実感を持てているか?
他にもチームであることを示す指標、言葉はあるかもしれませんし、何を加えても構わないと思います。いずれにしてもチームの現状に対して「今はどうか?」を、できれば全員で検証していきます。
さて、先に、ある外資系企業の例(第3回)を紹介しました。ホワイトボードの "FROM" という単語を全員で見て「今、自分たちがチームとしてどうなのか」を思い思いに述べていきました。
そこに正解があるわけではありません。一人ひとり捉え方が違って当然です。何を言ってもいいのです。ただ、現状についてそれぞれが思っていることを話す。そうやって、ちぎった和紙を張り合わせるように、全体を共有していきます。
こういった作業のことを "メタコミュニケーション" といいます。
"メタ" とは英語の接尾語で "上から" という意味。 "チームで交わされているコミュニケーション" を俯瞰して見て、そのコミュニケーションについてコミュニケーションします。
チーム全体の目標に向けてのアクティビティも、共創を起こすのも、つながりを生むのも、すべてはコミュニケーションです。
チームの活動はすべてコミュニケーションによって行われているわけですから、そのコミュニケーションがどうなのかを俯瞰するのです。先の外資系企業の場合は "FROM"と書いたホワイトボードが、CEOとバイスプレジデントがメタコミュニケーションを起こすサポートツールでした。
メタコミュニケーションを起こすツールは他にもたくさんあります。
そうしたサポートツールも活用しながら、まずは、現状を捉える、全員で捉える、全員で確認するーそれがチームをチームにするための大きなステップとなります。
〜『未来を共創する経営チームをつくる』第3章より抜粋編集
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