チーム・組織にコーチングを活かす

コーチングは基本的に「1対1」で行うもの。それがチームの活性化や組織開発にどのように機能・作用するの!?そんなお声にお応えすべく、「チームとコーチング」「組織とコーチング」について扱う記事をまとめました。


未来を共創する経営チームをつくる(7)縦のコミュニケーションを双方向にする

未来を共創する経営チームをつくる(7)縦のコミュニケーションを双方向にする
メールで送る リンクをコピー
コピーしました コピーに失敗しました

ハイパフォーマー集団だからこそ、チームになるのが実は難しい経営チーム。
組織の成長・変革を牽引する「経営チーム」のつくりかたのヒントを、エグゼクティブコーチがお伝えします。

経営チームの活動はコミュニケーションによってなされます。10人メンバーがいるならば、10人の間にコミュニケーションがなければ、チームにとって重要な "共創" が起きるはずがありません。"共創" が起きるためには "双方向のコミュニケーション" が必要です。

コミュニケーションを双方向のものにするには、 "問いをおたがいの間に置く" ことが大切です。そうすることで、おたがいの意見をぶつけ合い、そこに何かを生み出していきます。

例えば、こんな問いです。

  • フィンテック時代に対応するために、これから支店はどう変わる必要があるだろうか?
  • eコマースの割合を飛躍的に伸ばすには何ができるだろうか?
  • 新しい時代に適した企業理念とはどういうものだろうか?

こうした問いを間に置き、思っていることをぶつけ合います。時には、意見の対立が起きるでしょう。しかし、対立を伴わないクリエーションなどあるはずがありません。

"対立" と "敵対" は同じではありません。意見がぶつかる(=対立する)からこそ、新しいアイディアが生まれます。意見というのは視点です。ですから、意見がぶつかるときは、2つの異なる視点からものを見ることになります。対立することではじめて、今まで見ていた視点に新しい視点が加わります。

意見をぶつけ合うというのは、 "視点を投げかけ合う" ということで、スパイラル上に物事を2人の間に構築していくために欠かせないものです。これが一緒に考えることの醍醐味であり、意見が対立することの醍醐味です。

ソニー創業者の盛田氏は、ある部長としばしば議論をしたそうです。部長は思い切って自分の意見を盛田氏にぶつける。しかし、盛田氏とは決して同意に至らない。業を煮やした部長が「こんなに意見が合わないのであれば、盛田さんが私と話す意味などないのではないでしょうか?」と言うと、盛田氏はこう答えたそうです。

「何を言っているんだ。意見が合わないからいいんじゃないか。同じだったらそれこそ話す意味がないだろう」

しかし一般的には、エース人材は、自分の意見に異を唱えられることを良しとしません。また、異を唱えられることを良しとしないだろうと、相手をおもんばかり、異を唱えないことも多い。ですから、コミュニケーションが双方向ではなく "一方通行" になりやすいわけです。

加えて、コミュニケーションは "重力に弱い"。つまり、上から下に落ちていく傾向が強いもの。ですから、特に社長から役員へのコミュニケーションは、一方通行になりやすいのです。

そうなりがちな経営チームが共創するためには、縦にも横にも、健全にお互いの意見を伝え合うような双方向のコミュニケーションを起こす必要があります。

まず起点として "縦のコミュニケーション" つまり社長と役員とのコミュニケーションを双方向にすることが肝要です。もちろん、社長は最終意思決定者であり、方向性を最後に決め、指示を出す人であるわけですが、日常のコミュニケーションの中に双方向の部分を入れておかないと(つまり、役員との間に問いを置き、一緒に考えるということをまずは社長がやらないと)、そもそもチームが共創に向かいません。

社長と役員の双方が双方向のコミュニケーションをつくり、健全な対立を恐れず、共創、構築をしていくという意識が大事になります。

まず、縦を双方向にする。経営チームをチームにするための、大事な土台、ファウンデーションです。

〜『未来を共創する経営チームをつくる』第3章より抜粋編集


※営利、非営利、イントラネットを問わず、本記事を許可なく複製、転用、販売など二次利用することを禁じます。転載、その他の利用のご希望がある場合は、編集部までお問い合わせください。

この記事を周りの方へシェアしませんか?

この記事はあなたにとって役に立ちましたか?
ぜひ読んだ感想を教えてください。

投票結果をみる

コーチング・プログラム説明会 詳細・お申し込みはこちら
メールマガジン

関連記事