コーチングツール活用講座

部下などに対するコーチングの実践やセルフコーチングに使えるさまざまなツールを紹介するコーナーです。ツールをうまく使いこなして、コーチングをレベルアップさせましょう。


「ミーティング」を「チームを育てる場」に! (1) 〜つねに明確に共有すべきものとは?

「ミーティング」を「チームを育てる場」に! (1) 〜つねに明確に共有すべきものとは?
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(1) つねに明確に共有すべきものとは?
(2) 「主体性」と「当事者意識」を引き出すセットアップ
(3) 強いチームをつくるコーチング型コミュニケーション

「ミーティング」に何を期待してる?

あなたは普段、どんなことを期待してミーティングを運営していますか?

  • プロジェクトや業務をうまく活かせる
  • みんなのアイディアを話してもらい、活用する情報共有することで、みんなが動きやすくなる

などなど、さまざまな期待を持ってミーティングを開催していることと思います。

では、その中に、「チームを育てる場」という視点はあるでしょうか?

「ミーティング」でチームを育てよう!

ある意味で、ミーティングは「職場の縮図」。

ミーティングへの取り組み方やミーティングにおけるコミュニケーションは、会議室の外、つまり日々の業務進行にも反映されていきます。

ということは、運営次第で、ミーティングは、チームに悪影響を及ぼすこともあれば、逆に、恰好の「チームづくりの場」にもなるということです。

つまり、意識的・戦略的に取り組むことで、ミーティングは、

  • チームのあり方(コミュニケーションスタイルや関係性)
  • メンバーとしてのあり方や取り組みの姿勢

について、チームで、実際に体験しながら共有できる「場」にもすることができるのです。

加えて、コーチングの考え方やスキルは、実は、ミーティングととてもなじみやすいものです。

そこで今回は、「チームを育てるミーティング」を実現するためのヒントとツールを全3回でご紹介していきます。

第1回目のテーマはこちらです。

つねに、「目的」と「ゴール(向かう先)」を明確に共有する

さて、あなたがふだん開催(もしくは参加)しているミーティングは、その「目的」と「ゴール」がどのくらい明確に共有されているでしょうか?

失敗するミーティングの多くは、この「目的」と「ゴール」の共有が不十分なまま、なんとなく始まってなんとなく終わってしまっているようです。

これは、ミーティングのみならずあらゆるプロジェクト、そしてコミュニケーションにも共通した課題なのかもしれません。

一方、コーチング型リーダーは、つねに「ゴール」に向けて、コミュニケーションをとります。

しかも、必ず、ゴールをミーティングの参加者と「共有している」状態をつくります。なぜなら、そうすることで参加者が「主体性」を高めたり「アイディア」を自由に話せるようになることを知っているからです。

そんなコーチング型リーダーが使っているのが、次のツールです。

ミーティングの目的と効果的なミーティング運営(Test.jp 内「コーチヴィル」より)

そのミーティングの目的は?

このツールが示すポイントの1つが、「ミーティングの目的を明らかにし、それに合ったミーティングの運営をする」という点です。

このツールでは、ミーティングを目的別に次の3つの種類に分けています。

  • 意思決定(あるいは問題解決)をするミーティング
  • アイディアを交換(ブレーンストーミング)するミーティング
  • 情報を伝達(共有)するミーティング

確かに、ミーティングの目的により、

  • ミーティングの進行の仕方
  • ミーティングへの参加の仕方
  • ミーティング自体のゴール(何かを決定する、たくさんの案を出す等)

も変わってきます。

進行に迷ったり、参加者が発言をためらったり、ミーティングの収拾がつかなくなるのは、これらが不明確だからです。

そのミーティングのゴール(エンドイメージ)は?

ミーティングの目的(種類)が明らかになったら、それに応じて、「ミーティング自体のゴール(ミーティング終了時に何を達成していたいのか)」も明らかにしておきましょう。

このツールでは、それを「エンドイメージ」と呼んでいます。

たとえば、何かを決定する、たくさんの案を出す、全員で共通認識を持つ、といった「エンドイメージ」をメンバーと共有してから始めることで、効果的なミーティング運営に向け、メンバーの協力を得やすくなります。

ミーティングをはじめる前に

まとめると、ミーティングのはじめに明らかにするべきは次の2点です。

  1. ミーティングの目的(なぜこのミーティングを開くのか?)
  2. ミーティングのゴール(エンドイメージは?)

これらを参加者全員と共有することで、同意を持って、同じベクトルで進んで行くことができるのです。

※この2点については、ミーティングの軸・方向性として、ホワイトボードや配布資料にも記載しておくといいでしょう。そうすることで、話し合いが脇道に逸れたり、混乱したときに、いつでもここに戻ることができます。

ミーティングの後のゴールは?

さて、このツールでは、もうひとつ、メンバーと明確に共有すべきものを示しています。

それが、「ミーティングの後のゴール」です。

ミーティングで活発にやりとりが行われ、盛り上がったのに、次のミーティングではふりだしに戻っている、もしくは何も進んでいなかったという経験はありませんか。

もちろん、その後の環境や方針の変化、不測事態によることもあるでしょうが、最も考えられる原因は、「ミーティングの後のゴールの不明確さ」ではないでしょうか。

必要のなのは、ミーティングの終わりに、

  • ミーティングの決定事項
  • ミーティング後にそれぞれがとるべき行動の内容
  • 未解決事項

そして

  • 次のミーティングで何を行うか

を明確にし、メンバー全員で共有することです。

そうすることで、ミーティングの後の曖昧さによる失速を防ぎ、前進していくことができるでしょう。

さて、いかがでしたか?

  1. ミーティングの目的(なぜこのミーティングを開くのか?)
  2. ミーティングのゴール(このミーティングのエンドイメージは?)
  3. ミーティング後のゴール(次のミーティングまでに何を達成するか?)

必要なのは、つねに「ゴール(向かう先)」をメンバー全員と明確に共有していることです。

これはミーティングのみならず、あらゆる取り組みにおいて、チームの力を高め、前進させるための重要なポイントでもあります。

「効果的なミーティング」と「強いチーム」の2つを同時に手にするために、ぜひ、今回紹介した「ツール」と「ポイント」を活用してみてください。

次回のテーマは、

「主体性」と「当事者意識」を引き出すセットアップ

です。どうぞお楽しみに!


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