部下などに対するコーチングの実践やセルフコーチングに使えるさまざまなツールを紹介するコーナーです。ツールをうまく使いこなして、コーチングをレベルアップさせましょう。
「ミーティング」を「チームを育てる場」に! (1) 〜つねに明確に共有すべきものとは?
2019年07月23日
(1) | つねに明確に共有すべきものとは? |
---|---|
(2) | 「主体性」と「当事者意識」を引き出すセットアップ |
(3) | 強いチームをつくるコーチング型コミュニケーション |
「ミーティング」に何を期待してる?
あなたは普段、どんなことを期待してミーティングを運営していますか?
- プロジェクトや業務をうまく活かせる
- みんなのアイディアを話してもらい、活用する情報共有することで、みんなが動きやすくなる
などなど、さまざまな期待を持ってミーティングを開催していることと思います。
では、その中に、「チームを育てる場」という視点はあるでしょうか?
「ミーティング」でチームを育てよう!
ある意味で、ミーティングは「職場の縮図」。
ミーティングへの取り組み方やミーティングにおけるコミュニケーションは、会議室の外、つまり日々の業務進行にも反映されていきます。
ということは、運営次第で、ミーティングは、チームに悪影響を及ぼすこともあれば、逆に、恰好の「チームづくりの場」にもなるということです。
つまり、意識的・戦略的に取り組むことで、ミーティングは、
- チームのあり方(コミュニケーションスタイルや関係性)
- メンバーとしてのあり方や取り組みの姿勢
について、チームで、実際に体験しながら共有できる「場」にもすることができるのです。
加えて、コーチングの考え方やスキルは、実は、ミーティングととてもなじみやすいものです。
そこで今回は、「チームを育てるミーティング」を実現するためのヒントとツールを全3回でご紹介していきます。
第1回目のテーマはこちらです。
つねに、「目的」と「ゴール(向かう先)」を明確に共有する
さて、あなたがふだん開催(もしくは参加)しているミーティングは、その「目的」と「ゴール」がどのくらい明確に共有されているでしょうか?
失敗するミーティングの多くは、この「目的」と「ゴール」の共有が不十分なまま、なんとなく始まってなんとなく終わってしまっているようです。
これは、ミーティングのみならずあらゆるプロジェクト、そしてコミュニケーションにも共通した課題なのかもしれません。
一方、コーチング型リーダーは、つねに「ゴール」に向けて、コミュニケーションをとります。
しかも、必ず、ゴールをミーティングの参加者と「共有している」状態をつくります。なぜなら、そうすることで参加者が「主体性」を高めたり「アイディア」を自由に話せるようになることを知っているからです。
そんなコーチング型リーダーが使っているのが、次のツールです。
ミーティングの目的と効果的なミーティング運営(Test.jp 内「コーチヴィル」より)
そのミーティングの目的は?
このツールが示すポイントの1つが、「ミーティングの目的を明らかにし、それに合ったミーティングの運営をする」という点です。
このツールでは、ミーティングを目的別に次の3つの種類に分けています。
- 意思決定(あるいは問題解決)をするミーティング
- アイディアを交換(ブレーンストーミング)するミーティング
- 情報を伝達(共有)するミーティング
確かに、ミーティングの目的により、
- ミーティングの進行の仕方
- ミーティングへの参加の仕方
- ミーティング自体のゴール(何かを決定する、たくさんの案を出す等)
も変わってきます。
進行に迷ったり、参加者が発言をためらったり、ミーティングの収拾がつかなくなるのは、これらが不明確だからです。
そのミーティングのゴール(エンドイメージ)は?
ミーティングの目的(種類)が明らかになったら、それに応じて、「ミーティング自体のゴール(ミーティング終了時に何を達成していたいのか)」も明らかにしておきましょう。
このツールでは、それを「エンドイメージ」と呼んでいます。
たとえば、何かを決定する、たくさんの案を出す、全員で共通認識を持つ、といった「エンドイメージ」をメンバーと共有してから始めることで、効果的なミーティング運営に向け、メンバーの協力を得やすくなります。
ミーティングをはじめる前に
まとめると、ミーティングのはじめに明らかにするべきは次の2点です。
- ミーティングの目的(なぜこのミーティングを開くのか?)
- ミーティングのゴール(エンドイメージは?)
これらを参加者全員と共有することで、同意を持って、同じベクトルで進んで行くことができるのです。
※この2点については、ミーティングの軸・方向性として、ホワイトボードや配布資料にも記載しておくといいでしょう。そうすることで、話し合いが脇道に逸れたり、混乱したときに、いつでもここに戻ることができます。
ミーティングの後のゴールは?
さて、このツールでは、もうひとつ、メンバーと明確に共有すべきものを示しています。
それが、「ミーティングの後のゴール」です。
ミーティングで活発にやりとりが行われ、盛り上がったのに、次のミーティングではふりだしに戻っている、もしくは何も進んでいなかったという経験はありませんか。
もちろん、その後の環境や方針の変化、不測事態によることもあるでしょうが、最も考えられる原因は、「ミーティングの後のゴールの不明確さ」ではないでしょうか。
必要のなのは、ミーティングの終わりに、
- ミーティングの決定事項
- ミーティング後にそれぞれがとるべき行動の内容
- 未解決事項
そして
- 次のミーティングで何を行うか
を明確にし、メンバー全員で共有することです。
そうすることで、ミーティングの後の曖昧さによる失速を防ぎ、前進していくことができるでしょう。
さて、いかがでしたか?
- ミーティングの目的(なぜこのミーティングを開くのか?)
- ミーティングのゴール(このミーティングのエンドイメージは?)
- ミーティング後のゴール(次のミーティングまでに何を達成するか?)
必要なのは、つねに「ゴール(向かう先)」をメンバー全員と明確に共有していることです。
これはミーティングのみならず、あらゆる取り組みにおいて、チームの力を高め、前進させるための重要なポイントでもあります。
「効果的なミーティング」と「強いチーム」の2つを同時に手にするために、ぜひ、今回紹介した「ツール」と「ポイント」を活用してみてください。
次回のテーマは、
です。どうぞお楽しみに!
この記事を周りの方へシェアしませんか?
※営利、非営利、イントラネットを問わず、本記事を許可なく複製、転用、販売など二次利用することを禁じます。転載、その他の利用のご希望がある場合は、編集部までお問い合わせください。