部下などに対するコーチングの実践やセルフコーチングに使えるさまざまなツールを紹介するコーナーです。ツールをうまく使いこなして、コーチングをレベルアップさせましょう。
「自己認識」向上シリーズ (3) ~ 自分の「マネジメント力」を棚卸し、向上させよう パート1
2020年07月16日
近年、自己認識力はリーダーに不可欠な能力として注目されています。そして、多くのビジネスリーダーが、コーチングの成果の1つにこの「自己認識の向上」を挙げています。
自分を活かすにも、成長させるにも、まずは自分のことに「気づく」こと。それが最初の1歩です。
このシリーズでは、自己認識を上げるのに役立つツールを、毎回テーマ別に紹介していきます。
今回のテーマは「マネジメント力」です。
自分の「マネジメント力」を棚卸しし、向上させよう
あなたのマネジメント力は今どのくらいでしょうか?
強みは? そして、今必要なスキルアップ課題は?
テレワークなども導入され、働き方、そして、部下との関わり方にも多様性と変化がますます求められています。今こそ、改めてマネジメント力に目を向け、上司自身が、まず変化すべきときではないでしょうか?
そこで今回は、自分のマネジメント力を棚卸しし、向上させるための具体的なヒントを得られるツールを2つ、ご紹介します。
あなたのマネジメントスキルは今どのくらい?
こちらは、11のチェック項目に「あてはまる」「ややあてはまる」「あてはまらない」の3段階で答えることで、現在のあなたのマネジャー適性の点数とミニ診断を確認することができます。
注目したいのは、チェックの質問項目です。
一つひとつがとても示唆に富んでいるので、回答しながら、ふだんの自分を振り返り、また、今後伸ばすべきスキルや振る舞いについても検討することができます。
例:
- 【他人の成功にも協力的である】他人に積極的なフィードバックやコーチング、またその人を成長させるプロセスを用いて自発的に支援している。
- 【変化を恐れない】変化を歓迎し、促すことができる。また、他人が変化したいと思える刺激を与える。新しい挑戦を怖れず前進する。
ぜひ、診断後にもう一度回答ページに戻り、それぞれの項目について、こんな風に問いかけながら、振り返ってみてください。
「この項目で、今できていることは?」
「この項目で、今はできていないことは?」
「この項目を強化するにあたり、具体的にどんな取り組みができるだろう?」
「チームや部下にさらなる好インパクトを与えるマネジメントには、今、何が最も必要だろう?」
マネジャーとしての「現状」と「スキルアップ課題」を一気に洗い出し、スキルアップ!
21世紀のマネジャーのためのプログラム(Test.jp 内「コーチヴィル」より一部抜粋)
こちらは、マネジャーに必要とされるスキルや姿勢を、具体的にチェックしスキルアップするためのプログラム。マネジャーに必要とされる次の10分野で構成されています。
- パーソナルバランス
- 生産能力
- 自己管理
- コミュニケーション
- 境界線
- 仕事の質
- リーダーシップ
- 上司との関係
- チームワーク
- キャリアパス
各分野10項目、計100項目についてチェックし、その結果をプログレスチャートに書き込むことで、自分のマネジメント力の「現状」と「バランス」を確認することができます。
そして、マネジメント力アップを目指し、チェックできる項目を増やしていきます。項目の一つひとつがとても具体的なので、今すぐマネジメントに取り入れることが可能です。
例:
- 情報を素早く入手する手段を持っている(B.生産能力)
- 適度な休息を取っている(C.自己管理)
- 人の話をよく聞き、相手が言いたいことを正確に読み取っている(D.コミュニケーション)
- 携わっている仕事に対して、積極的に改善を続けている(F.仕事の質)
- メンバー個々の長所を最大限に活かせるチーム作りができている(I.チームワーク)
すべての項目にチェックするにはある程度の時間を要します。しかし、プログレスチャートで自分の変化や成長を目に見える形で確認できるので、モチベーションを維持しやすい仕組みとなっています。
もちろん、示される100項目全てをやみくもにチェックする必要はありません。
このプログラムの目的は、今、あなたとあなたのチームに必要な変化を起こすため。ですから、特に必要と思われる分野や項目にまず注力する、といった取り組みもぜひ検討してください。
また、実施方法の説明文には、「プログラムをよりあなたにあったものにするため、いくつかの項目に修正を加えても構いません」とあります。フィットしない項目は、今、自分と自分のチームに必要だと思われるオリジナル項目にぜひ置き換えてみましょう。
いかがでしたか?
まずはぜひ自分について活用してみてください。
そして次に1on1ミーティングなどで、次のリーダー候補やマネジメントに関わる部下とも活用してみてください。
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