部下などに対するコーチングの実践やセルフコーチングに使えるさまざまなツールを紹介するコーナーです。ツールをうまく使いこなして、コーチングをレベルアップさせましょう。
「1on1」に使えるチェックテスト(8)優秀ゆえに抱え込みがちな部下の影響力を高める
2020年11月12日
上司にとっては、対話の話題づくりに。
部下にとっては、自分を様々な視点で見つめ直す機会に。
そんなきっかけづくりに役立つオンラインチェックテストを、毎回違った切り口で2つずつ紹介していきます。
今回の切り口は、
「優秀ゆえに抱え込みがちな部下の影響力を高める」です。
能力は高いけれど抱え込みがち。そんな部下がもし変わったら?
一概には言えませんが、あなたの周りでは能力の高い人ほど、仕事をや頼まれごとを抱え込む傾向がありませんか?
彼らは、ある程度なんでもできるからこそ人に頼むことなく自分で対応してしまう。また、意欲や責任感もあるからこそ投げ出さずに自分でやり切る。上司からすれば、心強く、ありがたい存在であるため、ついつい彼らにいろいろとお願いしてしまい、任せ切ってしまう。
そして彼らは、他の人にサポートを依頼したり、相談したりせず抱え込むので、
- 何かあったときにも周りと共有しづらい
- 他の人と連携すればすぐできることに時間をかけている
- 実はプロセスや内情がよくわからない
といった面が気になることはないでしょうか。
もし彼らが、周りともっと連携して物事を進めれば、彼らの優秀さはもっと活かされ、周りも刺激を受けたり、相乗効果を発揮することができるでしょう。またそのプロセスを通して後進が育つということも期待できます。
しかし、自分でできてしまうがゆえに、人とワークシェアしたり、相談するという経験があまりなかったり、そもそもそういう発想を持ち合わせていない可能性もあります。
今回お届けするのは、そんなときに活用できる2つのチェックテストです。
普段の関わりを振り返り、気づきを得る
1つ目にご紹介したいテストは、こちらです。
このテストは、普段の関わりに目を向ける次のような項目に45個答えることで、コミュニケーションの課題を診断します。
- 自分が困っている時でも、人に助けを頼むことができない
- 大変な量の仕事を抱えているときでも、別の用事を頼まれると断ることができない
- 友人たちが自分の知らないことを話しているとき、それが何かを教えてくれるように言う
- 話し合いをしているときでも、人の意見を聞かずに自分の意見を押し通す
項目に答えるプロセスで、ふだんの自分のコミュニケーションやあり方に気がついたり、他の選択肢があるかもしれないと思うきっかけづくりとなります。
また、全ての項目に4段階で答えると、「要望する能力」「援助を求める能力」「感情を表現する能力」「適切な表現を使う能力」という4つのコミュニケーションスキルについての点数と診断が表示されます。この診断をもとに、4つの能力のそれぞれについて、現状と今後の開発ポイントを検討しても効果的でしょう。
真のリーダーに必要な力とは?
2つ目はこちらのテストです。
コーチ・エィ 鈴木義幸監修「真のリーダーになるためのポテンシャルチェックテスト」
Test.jp コーチ・エィ 鈴木義幸監修「真のリーダーになるためのポテンシャルチェックテスト」(無料)
1つ目のテストは、「ちょっと抵抗を示すかもな」「あまりヒットしないかもな」と思う方はぜひこちらを試してみてください。
このテストは、200人以上の経営陣や管理職のエグゼクティブコーチを務めてきた株式会社コーチ・エィ 鈴木義幸が、『リーダーが身につけたい25のこと』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)で紹介している「すぐれたリーダーに共通する25の能力」を測るためのチェックテストです。
"リーダーシップとは、一人では実現できない何かを実現したいと願い、他者に働きかけ、協力を仰ぎ、その実現を目指す力である"という前提のもと開発されているため、周囲との関わりやコミュニケーションについての項目がたくさん含まれています。
しかもタイトルは「真のリーダーになるためのポテンシャルテスト」。優秀な人材にとって、ワクワクする響きではないでしょうか。
各項目に4段階で答えると、100点満点で真のリーダーになるポテンシャル度と簡単な診断コメントを読むことができるのですが、このテストの魅力は診断項目にあります。
この25の項目は、いわば「真のリーダーになるための提言」のようにも読める内容。項目を読むだけでいろいろな視点を得られます。
ときどき読んで振り返り、自身のリーダーシップのありようや周りとの関わりを観察し、チューニングするための指標としても活用できます。
もちろん人にはタイプや適性もありますので、無理強いは禁物です。
また、これは、相手を矯正したり改善したりする取り組みではありません。
現在の貢献や優秀さを十分にアクノレッジした上で、
「より力を発揮してもらいたい」
「さらに周りへの影響力を発揮してもらいたい」
というような期待とともにさらなる能力開発に向けて共有すると効果的です。
いかがでしたか?
今回ご紹介したテストが、対話と、成長・飛躍のきっかけとなりますように。
ここがポイント!
自分一人でなら気軽に楽しめる「チェックテスト」も、上司と一緒に扱う、上司に結果を見せるとなると、ちょっと構えてしまうことも。そこにあるのは、「評価される」という感覚や、「ダメなやつとは思われたくない」、反対に「自惚れていると思われたくない」といった気持ち。
ですから、セットアップがとても重要です。
- 問題点の洗い出しや反省の材料ではないこと
- 成長やより良い変化へのヒントや強みを発見するためのもの
であることを共有し、気軽に楽しんで取り組めるようにテストを紹介する必要があります。
扱い方は、事前にホームワークでしてもらうのもアリ。
1on1ミーティングで一緒に取り組むのもアリです。
また、上司であるあなた自身も取り組み、その結果や感想を部下と共有するのもセットアップや話しやすい関係構築に効果的です。
ただその場合、話すぎにくれぐれもご注意を。 1on1はあくまでも「相手のための時間」なのですから。
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