Coach's VIEW は、コーチ・エィのエグゼクティブコーチによるビジネスコラムです。最新のコーチング情報やコーチングに関するリサーチ結果、海外文献や書籍等の紹介を通じて、組織開発やリーダー開発など、グローバルビジネスを加速するヒントを提供しています。
部下への叱責
コピーしました コピーに失敗しました先日、部下の準備不足から緊急に対応しなければならない事態が発生しました。
出張中だった私は、携帯電話でその部下を叱責しました。
「どうしてこんなことになったんだ?」
「君はどうやってこの責任をとるんだ?」
電話で部下を問い詰めながら、ずっと脳裏をかすめていたのは、
このコミュニケーションの目的は何なのか?
部下に自分が悪いということを思い知らせるためなのか?
この状況に対応するためなのか?
今自分がやっていることはどちらなのか、そのことが頭の中でうずまいていました。
なんのために部下を叱るのでしょうか?
その答えは、一言で言えば「失敗を繰り返させないように」という言葉に集約されるのかもしれません。
しかし、叱ることでその目的は本当に達成されるのでしょうか?
マネジメント向けに行うコーチング研修の中で、「質問すること」と「詰問、叱責すること」の違いを必ず説明します。
上司が部下に対して質問する目的の大部分は「事実や情報を知るため」だと言っていいと思います。
ところが、その質問が「詰問」や「叱責」になってしまえば、部下は萎縮し、出てくる言葉は「言い訳」や「謝罪」ばかりになってしまいます。
上司として欲しかった、事実や情報を知ることはできなくなってしまうのです。
私は、携帯電話で部下と話しながら、自分がいつもしているそのレクチャーを思い浮かべていました。
1月より、CTP(コーチ・トレーニング・プログラム、現在のコーチ・エィ アカデミア)は新しいモジュールでおこなわれます。
私は、CTPのオンライン・クラス(電話会議クラス)で行う最初のケーススタディとして、このことをテーマにしてみようと思っています。
他のマネージャーだったらどうするのか、部下の立場だったらどう感じるのか、ぜひ様々な角度からディスカッションをしてみたい。
権威や理論、ハウツーに頼るのではなく、様々な視点に触れることでこのことに関しての自分なりの答えを出してみたいと思っています。
この記事を周りの方へシェアしませんか?
※営利、非営利、イントラネットを問わず、本記事を許可なく複製、転用、販売など二次利用することを禁じます。転載、その他の利用のご希望がある場合は、編集部までお問い合わせください。