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コーチングの品質管理
コピーしました コピーに失敗しましたコーチングについての関心が高まっています。
書店で、ビジネス書のコーナーにコーチング専門の棚が用意されているところも少なくありません。
この傾向は、日本に限らず、世界各国でも広がっています。
同時にコーチングについて学べる教育機関も雨後のタケノコのように増えています。
世の中にたくさん存在するコーチング教育プログラムの中で、どれが信頼のおけるものなのかという基準となっているのが、国際コーチング連盟(International Coach Federation アメリカ・ワシントンDC)が行っている、コーチ・トレーニング・プログラムの認定制度であり、世界で24プログラムが認定を受けています。
認定コーチ・トレーニング・プログラム(Accredited Coach training program:以下ACTP)として認められるには、次の厳しい条件をクリアする必要があります。
ACTPは、国際コーチング連盟が打ち出す「コーチングの倫理と哲学」に基づき、また、最高の学習環境を提供している以下の条件を満たしているプログラムに与えられます。
認定コーチ・トレーニング・プログラムに求められている条件:
1.プログラムが国際コーチング連盟のコーチングの倫理規定と行動規範を守ることに基づいている
2.カリキュラムが、初級、中級、上級とスキルアップできるように構成されている
3.講師に対するトレーニングが用意されており、実施されている
4.参加者の学習履歴が残されている
5.修了するための試験制度があり、試験で70%以上の点数を取らないと修了を認めないこととなっている
6.プログラムディレクター(代表者)がマスター認定コーチである
連盟には、ACTPとしての認定を受けるべく、数多くのプログラムが申請してきます。
最近では、医学の教育機関でも、コーチングを取り入れているところが増え、認定の申請を行ってくることもあります。
しかし、コーチングに特化した教育ではないことを理由に、ACTPとして認められない、というケースもあります。
興味深いところでは、アメリカのジョージタウン大学には、「リーダーシップ・コーチング」という講座があり、こちらはACTPとして認められています。
大学という教育機関で認められているのはここが初めてで、今後も増えることが予想されます。
コーチ・トゥエンティワンのコーチ・トレーニング・プログラム(CTP、現在のコーチ・エィ アカデミア)もACTPとして2000年に最初に認められ、今年、全面的な内容のリニューアル後も正式に認定の更新が認められました。
これは、コーチングの教育機関として、最適な学習環境を提供し、その上で、基準の高いプログラム内容を実践していることを証明しているといえるでしょう。
現在国際コーチング連盟のウェブサイトには、世界各国の72のプログラムが紹介されていますが、半年後には、ACTPとして認められているもののみを掲載すべく準備をしています。
コーチング教育の品質管理がまさに問われる時代が来ていることをひしひしと感じます。
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