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コーチングで6ケタ稼ぐ
コピーしました コピーに失敗しました先月、アメリカのフロリダ州で行われた、コーチのためのセミナーに参加してきました。
名づけて「コーチングで6ケタ稼ぐ方法」。
かなり直接的なタイトルですが、要は、コーチングで100万ドルを軽く稼ぐためのビジネス展開について扱う、週末2日間の集中セミナーでした。
参加者は、コーチ業を長年営んでいる人、コーチ業界に入ったばかりの人と半々ほどで、遠くは、イギリスから参加している人もいました。
みな、それなりにコーチとして成功している人たちなのですが、よりビジネスとして成功させたい、とさらなる意欲に燃えている様子。
セミナーの内容は、自分がコーチとしてビジネスをしたいクライアントを特定すること、クライアントの紹介を生む方法や、自分のコーチングビジネスについていかに具体的に伝えることができるか、などを扱いました。
セミナーに入る前に、参加者一人ひとりに対して、スタッフが事前インタビューを行いましたが、これは興味深い体験でした。
「あなたはコーチとしてどれほど成功しているか」
というチェックリストを事前に記入しておき、それに基づいて60分の電話でのインタビューを行うのです。
1.このセミナーに参加する目的は?
2.あなたは、今クライアントが何人いるか
3.どういう人たちがクライアントなのか
という棚卸から始まります。そして、
4.今から5年後はクライアントは何人か?
5.フィーは?
6.それを可能とするのは、1年後はどうなってる必要があるか?
7.今それをやっていないとしたら理由は?
などと、次々と質問が投げかけられます。
私を担当してくれたコーチ、フィリップは、大ベテランのコーチ。
質問内容は、典型的なコーチング・フローの中で行われるのですが、話していると、こちらがどんどんワクワクするのです。
それを作り出しているのは、フィリップの声。「あなたの話を聞いているのが楽しくてたまらない」という感じがひしひしと伝わり、一体感が生まれます。
そして、絶妙な質問のタイミング。
「あ~ちょっと待ってね......(間)......」
と真剣に考えているのです。
私は、「この人は次にどんな質問をしてくるんだろう」と、前のめりになって待ってしまいます。
で、「5年後にそれを実現するには、今何をすればいいのですか」という典型的な質問がくるのですが、この「間」があるおかげで、一緒になって、「熟考」する体験が生まれるのです。
次第に、考えることが楽しくなり、思いもかけない発想が生まれてきたりします。
最後に思わずこう伝えてしまいました。
「フィリップ、このインタビューは楽しい!」
そのとき彼はこういいました。
「ヘイ、僕の仕事はなんだか知ってる? コーチだよ! I Love this business!」
相手とともにその場にいる。
この根本的なスタンスこそが、コーチのあり方であり、それがあるからこそ、クライアントが自ら発見することの楽しさを体験できるのだということをあらためて感じました。
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