Coach's VIEW

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パーソナルゴール

私たちの関心事とは、自分に関わることであり、
それ故、自分に関わりの薄いものに対する関心は、
おのずと薄くなります。

企業の経営者が、会社の目標や目的をどんなに力説しても、
社員の関心事は「それで、私はどうなるの?」にあります。
会社のことをないがしろにしているわけではありません。
しかし、社員の関心事は「私の行く末」なのです。

有能なマネジャーは、そのことをよく心得ています。
ですから、目標を設定するときも、
決して会社の意向を前面に押し出すのではなく、
本人の意思を確かめます。

「今月の売上目標は?」
「300万円」

平均的なマネジャーは、ここで
「よし、がんばれよ」で終わります。

しかし、いいマネジャーは続けて質問します。

「それを達成すると、君にとってどんないいことがある?」

それから

「その目標を達成した、その先には何がある?」

いいマネジャーは、
最初に部下の「私はどうなるの?」に応えます。
それをハッキリさせるために時間をつかうのです。

組織には組織のゴールがあります。
そして、組織に働く人にはすべてパーソナルなゴールがあります。
100人の社員がいれば、100のゴールが、
1000人の社員がいれば、1000のゴールがあるのです。

組織のゴールは、
社員ひとりひとりのパーソナルゴールが達成されることで
初めて達成が可能になります。
だからこそ、組織のマネジャーやトップは、
社員ひとりひとりのパーソナルゴールを理解し、
その達成をサポートすることを求められます。

トロント在住の私のコーチは、
ある日、大企業の社長とのコーチングセッションのとき、
彼の秘書を部屋に呼んでもらい、彼に聞きました

「彼女がどんなゴールをもっているか知っていますか?」

クライアントは、「知らない」と答えました。

そこで彼は、クライアントに対して、

「彼女が自分のパーソナルゴールを達成することを
 あなたがサポートしなければ、
 彼女があなたの本当のゴールを理解し、
 その達成をサポートしてくれることはない」

そう伝えたそうです。

それがどんな目標であっても、
それを達成する必要を個人が感じ取らなければなりません。
単にコミットメントを要求するだけでは充分ではありません。
その目標が、まさに自分の目標であり、
それを達成するために、個人が情熱を傾けようとしなければ、
より高い目標を達成することはできないのです。

マネジャーやトップに求められる能力とは、
単にコミットメントを上げるだけではなく、
個人の情熱を引き出す力なのかもしれません。

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