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優れたコーチは日夜それを考える
コピーしました コピーに失敗しました1ヶ月ほど前から、週に2回、自宅のそばの区営プールで泳いでいます。目的はダイエット。ビールを飲む代わりに、夜の8時ごろから1時間ほど、泳ぎに行くことにしたのです。
とはいうものの、最初は出かけていくのが億劫で、重い腰をあげるのにかなりの「努力」が必要でした。ところが最近では、「泳ぎに行きたい」と思うようになっているのです。それにはいくつかの要因があります。
体重が少しずつ減っている。泳いだ次の日の朝は、確実に何グラムかは減っています。この1ヶ月で2kgほど体重が落ちました。
少しずつ長く、楽に泳げるようになっている。泳ぎ始めたときは、25mプールを往復するだけで、ぜーぜーはーはー、一呼吸置かなければならないような状態でした。それが、少しずつ距離が伸び、楽に泳げるようになってきています。
なおかつ、泳ぎ終わったあとのちょっとハイな爽快感は、ビールを飲むよりも魅力的。こうなってくると、「今日も泳ぎたい!」という気持ちになってくるわけなのです。
以前、NHKの特集番組でプロ野球の「王選手」について取り上げている番組を見たことがあります。
一本足打法で有名な王選手。真剣での素振りで畳が磨り減った、などの逸話が物語るように、王選手といえば「努力、精進」というイメージが強いのですが、どうも最初からそうではなかったらしい。
ピッチャーからバッターに転向した王選手は、バッティングフォームに独特の癖があって、いくら練習をしても、結果につながらず、だんだんと練習嫌いになっていったというのです。そのころの王選手についたあだ名は「なまけもの」。
その後、荒川コーチの指導のもとで、バッティングフォームの改良を重ねていくことになります。少しずつ一本足打法に近づいていくのですが、その過程を王選手は「練習すると、それだけ打てるようになる、結果が出る。だからまた練習したくなるんです」と話していました。
私たちは相手に対して、ついつい努力や頑張りを強いてしまいがちです。目の前にいる相手が、どうやったら最初の小さな成功を収めることが出来るのか? 優れたコーチは日夜それを考えているのだと思います。
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