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教育現場にコーチングを

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この半年、自分のミッションについてよく考えています。自分の人生のミッションはいったい何なのか?

私が中学校2年生の時のことでした。3時間目の授業が終わり、4時間目の社会科の授業を受けるために数人の友達と視聴覚教室へ向かっていました。そのとき、階段で社会科の先生とすれ違ったのです。先生は機嫌が良さそうでした。
 
「お、次は君たちのクラスだな」
「はい、よろしくお願いします」
「ちょっと、遅れていくから、少し自習しててくれ」
「はーい!」

私は明るい調子で答えました。その答え方が先生の気に障ったのでしょうか。その後のやりとりはあまりよく覚えていませんが、しばらくして、先生は顔を真っ赤にして烈火のごとく怒りだしてしまったのです。
 
「なんだ。自習の方がいいのか! だったらお前たちのクラスにはもう行かないからな!」

私は担任の先生にこの出来事を伝えました。
「私は桜井君は悪くないと思う、でもここはひとつ折れて先生に謝りなさい」
今でもそのときの悔しさ、不条理をよく憶えています。

 
中学校3年生のときの進路指導の時のことです。

当時の私は幸いにもそこそこの成績をとっており、模試でも志望高校はほぼ確実という結果を出していました。

「桜井君、内申の点数からみても、模試の結果から見ても、志望高校は確実に受かるよ。でもな、桜井君。高校に行かないで就職する選択だってあるんだぞ。高校、大学に行ってもいい、今から働いてもいい、君ならどこに行っても十分やっていけるよ」

担任の先生のこの言葉は、今でも私を勇気づけます。教師の一言は生徒に対して想像以上の影響力を持っています。生徒をやる気にさせるか否かは教師次第なのです。

近年、多くの教育現場でコーチングが取り入れ始められています。コーチングの基本はラーニング・コーチです。「生徒自身が自発的に学んでいくことを促進する」ことができれば、教師も生徒もこれ以上の幸せはありません。

つい先日、三重県の小学校でコーチングを授業に応用するという研究が始まりました。その準備に立ち会うことができたのですが、そこで中心になっている先生は、独学でコーチングを学び、独自の授業をつくろうとしていることを知りました。翌日行われた県の教育委員会によるコーチング研修には、同じ小学校の教頭先生が参加していました。

これまで私の出会った多くの先生たちは、どうやったらいい授業ができるのか、どうやったら生徒を成長させられるのか、その情熱に燃えています。教育という志に燃えているのです。

私は今、コーチ・トゥエンティワンの副社長という立場にいますが、将来マネジメントを退いたときにはビジネスコーチングを続ける傍ら、週の半分は全国津々浦々の小学校や中学校を回りたい。一人でも多くの先生にコーチングを紹介したいと思っているのです。

その光景を思い浮かべると、ちょっと嬉しい。

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