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部下に未来を描かせる

部下に未来を描かせる | Hello, Coaching!
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「上場企業に就職した新卒の3割が3年以内に辞めている」
「一般企業の3割から4割の労働者の労働意欲が低下している」
「将来のことを尋ねる項目に否定的な反応を示した生徒の成績が、平均点を下回っている」

最近の新聞記事です。いずれも、原因は自分の将来が見通せない、ビジョンを持てないところにあるようです。

ビジョンがなければ意欲は持てません。ビジョンが明確でないところに、いくら頑張れと言ってもそれは無理な話なのだと思います。

組織に属していれば、必ず何らかの目標を持っているわけですが、それが必ずしもビジョンとして描かれているわけではありません。年間の売上目標は1億円。でも、それを達成したときの「絵」を持っている人はなかなかいないわけです。


ある食品販社の話です。スタッフのほとんどはパートタイムの主婦。一人ひとりが自分の売上目標を持っています。マネージャーとしては、当然、目標数値を上げたいのですが、部下はそこそこの数字で満足してしまう。欲がない。

その中でも売上を伸ばしているマネージャーがいるといいます。そのマネージャーは、決して「頑張って!」とか、「もっと」とか言わない。部下に具体的な未来を話させるのがうまいのです。

「○○さんは、もし収入が1万円増えたら、何に使うの?」
「今は、運動会とか発表会とかのイベントの後に子どもたちをファミレスに連れて行ってるけど、もし1万円増えたら、子供たちが大好きな焼肉を食べさせてあげたい!」

本人にとっての具体的な「絵」を引き出すことができると、部下は実際に売上を伸ばすそうです。


先日、社内で会社の未来を語るブレーンストーミングを行いました。
「会社の売上が2倍になったら自分はどうなるか?」
「3倍になったら自分はどうなるか?」

制限なく自由に話す。ベンツを買う。家を建てる。毎週エステに行く......。ある部下が言いました。

「デパ地下で300円の高級牛乳を買う!」

周りのスタッフは爆笑です。しかし、本人は至って真面目。この部下は、32歳の男性、既婚、子供が3人。会社の帰りにときどきデパ地下に行く。その時に300円の高級牛乳が目に留まる。どんな味がするのかな、と思いつつ、いつも素通りしている。給料が増えたら、気兼ねすることなくその牛乳を買える。

周りから見れば、些細なことですが、何といっても本人のビジョンが大切なのです。この話をしているときの彼は、少し頬が紅潮し、周りにエネルギーを発散していました。

ビジョンは、頭の中に置いておくことができません。ビジョンは、描いているその瞬間にしか存在しない。目の前の業務に追われていれば、頭の中はその業務のことでいっぱいになります。その瞬間、ビジョンは失われている。

マネージャーの仕事は、部下に未来を描かせることです。しかも、毎日。

 「牛乳はいつ頃買うの?」

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