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あなたはコーチをつけている?
コピーしました コピーに失敗しましたコーチとしてたくさんの海外のコーチと知り合う機会がありますが、その中で特に印象的な人は、国際コーチング連盟(ICF)2007年度の理事長として内定したケイ・キャノン氏です。
自称「アナライザー」というだけあって、トツトツとしたしゃべりで、内容は理路整然。曲がったことが大嫌いで、多くを語らず、ICFの理事会のミーティングのときでもずっと黙っていて、 最後の15分で初めて話すような人です。
先日「ゲストコーチシリーズ」(海外からコーチを招いて行う電話会議のプログラム)の打ち合わせのために話したとき、私はふとケイに聞きました。
「コーチを選ぶときには何に気をつけたらいいの?」
「よいコーチの条件とは何?」
そのとき、いつもは抑え気味のトーンがぐんと上がり、電話の向こうから凛とした声が響いてきました。
「コーチの中には、自称コーチと有能なコーチがいる。コーチに出会ったらまず、こう聞いてほしい。『あなたにはコーチがついてる?』って。もしついていないとしたら、その時点でコーチとして失格ね」
そして、有能なコーチの条件についてこう語りました。
有能なコーチとは......
・相手の学習を促進する人
・自らが学び続けている人
・コーチングに特化したトレーニングをきちんと受けたことがある人
・コーチングに活かせる学習ができるような団体に所属してる人
・メンターコーチをつけている人
とくにメンターコーチについて話が及んだときに熱が入りました。
「メンターコーチとは、いわゆる『コーチの先輩』。自分のコーチングのアプローチが正しいかどうかを確認できる相手がいることが重要なの。 そうでないと、自分の解釈だけでコーチングを進めてしまう。時には(もちろんクライアントの許可を得た上で)私のコーチングの内容を聞いてもらい、フィードバックを受ける機会も取っているわ。 メンターコーチって、『この人から何か学べるな』と思う人であることが大切ね。 コーチのモデルとなる人」
そう語るケイの力強さに圧倒されました。そこにはコーチという比較的新しい職業の質と評判を高く維持してきた自信と、 今後も守り続けるという決めの強さが伝わってきました。 彼女がICFで中心的な立場にたっていることが、改めてくっきり見えた瞬間でした。
そういうケイ自身、多くのコーチのメンターとして活躍しています。
「あなたにはコーチがついていますか?」
「そのコーチから何を学んでいますか?」
コーチ同士だけでなく、クライアントとコーチの間でも 、この質問が常に会話にのぼることが大事なのだと実感しています。
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