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もしも26歳のときにコーチがいたら

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講演会で「新任のエグゼクティブが新しい役割や職場に慣れるのに、どのぐらい時間がかかると思うか」を、参加者の方々に質問するときがあります。

さすがに、1~2ヶ月で慣れると思われる方はいません。たいていの方は、3~6ヶ月くらい。1年以上はかからないだろうと思っているようです。

ハーバード大学の調査では、マネージャーが、配置転換して職場に慣れるのにかかる日数は、およそ15~18ヶ月であると報告されています。新しい職場や役割に慣れるには、時間が必要なのです。

エグゼクティブも、もちろん同じです。大方の人は3~6ヶ月と思っているわけですが、実際には、新しい職場や役割に慣れるのに1年以上も時間がかかります。その間は、エグゼクティブとして十分にその能力を発揮することはできません。職場と役割に慣れるために、多くのエネルギーを費やしているのが実態でしょう。

場に慣れるのには時間が必要ですが、コーチングを通して、その時間を短縮していくことは可能です。

最近、私はよく思います。

もし、自分で会社を始めた26歳の頃にコーチがいたら、どんなに効率よく、そして効果的に会社を運営することができただろうかと。早くから自分のビジョンに気づき、戦略をもって経営できたように思います。当時を振り返ると、本当に情熱だけで走っているようなところがあって、計画性に乏しい、行き当たりばったりの経営をしていたように思います。今も、多分にその傾向はありますが......。

今、私は自分にコーチをつけています。毎週火曜日の朝8時から、1時間のコーチングセッション。セッションが終わる度に、新しい視点を手にしていることに気がつきます。同時に、仕事に向かう自分がワクワクしているのを感じます。

コーチは常に、これまでのプロセスを反芻し、ポイントをリマインドしてくれます。また、わかったつもりになっていることでも、丁寧にリピートしてくれます。そして、2年後、3年後の視点に立って、今の自分を見る機会をもつこと、ビジョンを構築すること、日々の仕事を棚卸しすること、自分自身の成長など、コーチをつけることで、確実に可能性を広げていることを実感しています。

これまで、あまりにも計画的になりすぎたり、準備に時間をかけすぎたりすると、仕事に対する勢いが弱くなるような危惧もありました。でも、私のコーチは言います。

「伊藤、仕事にコミットメントを要求しているのではない、仕事に情熱を持ち込むために、コーチはいるんだ」

もし、26歳のときの私にコーチがいたら、もっと熱い情熱と、それにベクトルをもたせることができたのではないかと思います。

今だって同じです。

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