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コーチングを実証する
コピーしました コピーに失敗しました海外でカンファレンスに参加すると、いつも興味深く思うことがあります。それは、カンファレンスの目玉となる基調講演の人選です。
スピーカーとなる人は、もちろん、コーチであったり、コーチングに関連した実績をもつ人が登場します。しかし、中には、ハワイ在住でヒーリングを主に行う医師や、 聾唖者のコメディアンなど、ユニークな人たちが話をすることもあります。
先日ニューヨークで行われたエグゼクティブ・コーチが集まる大会では、基調講演者は環境問題の専門家。私は、この人がいつコーチングに関連した話をするのか、今か今かと待ちわびていました。ですが、講演では、南極の氷は20年前と比べてこれだけ減っている、などの画像を次から次へと見せられ、地球温暖化の話で終わってしまいました。
私はまるで、きつねにつままれたような気持ちでした。しかし、一緒に参加した海外生活が長い同僚は「面白かったね」と満足したようす。びっくりした私はこう尋ねました。
「いったいコーチングとどう関係があるの?」
その後の彼女のコメントは、私の謎を思いっきり解くものでした。
「こちらの基調講演はね、関連するテーマを他の切り口で見せてくれるものが多いんですよ。今日の地球温暖化の話は、『これほど地球は速いスピードで変化している』ということを、説得力をもって伝えているひとつの例。これだけ地球は速く変化しているというテーマを扱うことで、変化への対応力を身につけることができるコーチングスキルの需要と関連させているんですよ」
なるほど。
そんな今までの印象深い基調講演の中でのトップはなんと言っても、ボストン・フィルハーモニー管弦楽団指揮者のベンジャミン・ザンダー氏でしょう。彼は指揮者でありながら「人から可能性を引き出すリーダーシップ」というタイトルで、大手企業などのビジネスエグゼクティブ向けの研修、講演活動を勢力的に行っています。
ザンダー氏は、2002年の国際コーチング連盟の大会で、基調講演のスピーカーとして登場。あまりにも好評だったため、2年後には、たった2時間のためにプライベートジェットで飛んでやってきたそうです。
「人がふたり以上集まると、そこにはリーダーシップという概念が生まれる」
「オーケストラで音を出さない唯一の存在は指揮者である。だから、いかに楽団員から音を引き出すかが求められる」
そう語るザンダー氏は、トークと音楽を交えながら観客をあっという間に巻き込み、音楽という媒体を通じて、コーチングの効果を見せてくれます。実際に、音楽家たちは彼の言葉を受けると、音が変わるのを実感できるのです。
このたび、そのザンダー氏を日本にお招きする運びとなりました。その講演の題名はズバリ「Experiencing the Art of possibility~コーチングを実証する」。
音楽というフィールドを通じて、コーチングの手法とその具体的で即効の成果を目のあたりにするのは、実にエクサイティングな体験です。多くの方に、ザンダー氏の「可能性を引き出す」取り組み方を目撃していただきたいと思います。
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