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妻からのひと言
コピーしました コピーに失敗しました先日の早朝のことです。
朝食の準備をしている妻に向かって、小学校3年生の娘が、昨日の学校での出来事を話しだしました。
「ねえねえお母さん......」
ところが、妻には娘の話が耳に入らない。忙しそうに手を動かし、娘の顔を見ようともしない。しばらくすると、娘は話すのをあきらめて、つまらなそうに学校に行く準備をし始めました。
それを目の当たりにしていた私は、「さっきから話しかけてるんだから、少しは聞いてあげたら?」と思わず言ってしまったのです。
すると、妻は、娘ではなく私に向かって振り返りました。そして、少しだけ目をつりあげて、こう言いました。
「私の話はいつ聞いてくれるの!?」
子どもにしろ大人にしろ、私たちは自分の話を聞いて欲しいと思っています。自分の話が十分に聞かれている。聞いてもらうだけで、少しほっとしたり、すっきりしたりする。その安心感やちょっとした満足感が、 私たちが気分よく生きていくための原動力になっていると思うのです。
ところが、自分の話が聞かれていないと、「自分の言っていることに、興味がないのかな」とか、「自分の言っていることは、大切ではないのかな」というように、自分の話している内容がつまらないのかもしれないと思ってしまう。
そして、この「聞かれていない」状態が続くと、やがては「私のことはどうでもいいんだ」「自分は大切ではないんだ」 というニュアンスを感じてしまう。 話を聞かないというだけで、相手は自分に疑いの目を向け、自分自身の価値を低下させてしまうのです。子どもでも大人でも、その点に関しては同じです。
部下のひとりに聞いてみました。
「僕はどのくらい君の話をきいているかな?」
「大体、桜井さんはいつも忙しそうじゃないですか。桜井さんに話したいことがたくさんあるのに......私だけでなく、みんなも悶々としてると思いますよ」
私の場合は、まずは、こちらから話を聞こうというスタンスが必要のようです。
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