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アメリカの社内コーチング・プログラム~経営戦略を執行するためにコーチをつける

 コーチ・トゥエンティワンでコーチ・トレーニング・プログラム(CTP)を
 導入して、この11月で10年目を迎えます。

 今年になって数多くのコーチングの会議に参加してきましたが、
 日本におけるコーチングの発展は、
 世界の先頭集団とほぼ変わりないことを実感しています。

 というのも、1995年に国際コーチ連盟が法人化されたあと、
 全世界的にコーチングが浸透していったのが1999年あたり。

 そのあたりから、アメリカの大手企業でも、社内コーチ制度が
 導入され始めた様子で、現在は、人事部(HR)が中心となり、
 「社内コーチング・プログラム」に積極的に取り組んでいます。

 これは、「コーチングスキルをマネジャー層に教育する」
 という研修プログラムではなく、
 「経営者層にコーチをつける」ためのプログラムで、
 いかにその構造やしかけを作るかが話題の中心となっています。

 先日、アメリカで「企業内におけるコーチング」に特化した
 会議に参加しました。

 会議で事例発表をしたコンサルティング会社では、
 人材育成に特化した別会社を立ち上げ、その中で自社に向けて
 取り組んだ社内コーチング・プログラムの導入例を紹介していました。

 ここでは、社内におけるコーチングの過去5年間の進化について
 興味深い比較例を紹介していました。
 社内コーチについての会社側の認識が、時とともに
 次のように変容していることがよくわかります。

 1999年当時
  1.コーチをつける人は自己申請
  2.コーチングの内容は本人が決定
  3.コーチをつけている人数:約100人
  4.効果測定法:「よかったかどうか」
  5.プログラムの運営:分散管理

 2006年現在
  1.コーチをつける人は会社から指名された経営者層
  2.コーチングの内容は会社側で承認
  3.コーチをつけている人数:約50人
  4.効果測定法:3段階の数値測定
  5.プログラムの運営:中央管理

 コーチに対するイメージが、
 「カウンセリング的な問題解決」から
 「経営戦略の一環」に変容していくのがよくわかります。

 効果的な社内コーチング・プログラムの運営ポイントは、

  1.コーチは経営者層とマネジメント層につける
  2.コーチングの目的が経営戦略と一致している
  3.効果、成果測定の方法を事前に決め、
    会社の承認を受けてからはじめる
  4.進捗状況を確認するための仕組みがある

 と具体的です。
 そして、クライアントが、コーチをつけることで
 どのような成果を出すことに責任を持つのかを会社側にプレゼンし、
 その結果にコミットすることが求められています。

 コーチは誰でも受けられるものではなく、経営陣につくものであり、
 コーチの役割は、経営戦略の執行を推進すること。

 まさにクライアントとコーチが、経営目標の達成にタッグを組んで
 取り組むという印象を受けました。

 実践的な社内コーチング・プログラムを持っているかどうか。
 このことが今後の企業経営に影響を及ぼす時代に突入する予感です。

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