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いま何を考えていますか?

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私は月に2回程度コーチングを受けています。

私のコーチはヒューストンに住んでいて、こちらの時間で朝の8時、あちらは夕方の6時。ずっと私自身の将来をテーマにしています。彼女とのコーチングは、特にエキサイティングなわけではありません。どちらかといえば、淡々としたものです。

彼女の質問に私が答えると、彼女は、いろいろな角度からそれを検証します。何気なく言った一言なんだから、そんなに丁寧に扱わなくてもいいのに、と思うこともあります。しかし、コーチング・セッションの数を重ねるごとに、その意味の重さを感じます。

先日、私が「私は難しい人と関わる過程で自分と直面し、自分の成長を促してきたと思う」と言うと、彼女は「あなたは難しい人とどう関わってきたの?」「どんな人が難しい人なの?」と聞いてきました。

これは彼女だけではなく、他の人にも何度か聞かれたことのある質問ですが、大抵はあいまいにしか答えてきませんでした。

実際、そのとき自分はどうしているかなんて、うまく言葉にできない、言葉にして誰かに伝えられるようなものでもないだろう、と思っていました。しかし、彼女は、そういう言葉にしづらいことを、言葉にして表現してみようと努力することにはとても価値があると言います。自分がそういう丁寧なプロセスを少し端折ってきたことを、垣間見るような気がしました。

難しい人とどのように関わってきたかを振り返ってみると、たとえば、自分では対処できないと思っている感情、とくに怒り、そして無力感、予測できない感情など、自分に危険を感じたり、自分の無力感が表面化してしまうようなことを避けたいと考えていることに気がつく。

それで、どうしてきたか?

「逃げてしまうわけにもいかない立場にいたので、多くの場合、その人と直面することになる」

そこまで話すと、少し気づくことがあります。

「その人と直面する」

それがすでに、難しい人と向き合うときの自分の選んだ態度なのではないかと。

そのことを話すと、彼女もまた、それについて思うことを話す。その繰り返しの過程で、自分についての認識は、より深まる。会話は淡々としていますが、内側はエキサイティングです。

端折ってしまえば、それだけのことです。しかし、もう少し焦点を当てれば、そこには自分が投影されます。自分を投影する機会がなければ、自分について知ることなどできません。

だいたい、自分がどういう人間かわからないでいるために、他人に批判されたり、評価されると、弱くなるものです。

私は、どんな会話を交わしていようと自分について、新たな発見や気づきが伴うことを求めます。常に自分への理解を深めたいと思います。そうすることで、自分がコントロールできるようになると考えています。自分をコントロールできないと、人は無力感に陥りやすくなります。そして、無力感は、もっとも避けたい状態です。

さて、コーチングのセッションでも当然、自分への理解は深められます。それは単に、長所や短所を知るとか、強み、弱みを知るといったことだけではなく、自分はどのような価値観をもっているか、他の人からどのような影響を受けやすいか、また、周りにどのような影響を与えているか、それについて知る。

自分が自分をどう評価しているか、それも知りたい。そして、からだはどのような機能を持っているか? 脳はどうか? われわれの祖先はどのようにして生きてきたのか? 他の動物は? 私たちは、心理学的な洞察だけではなく、すべてのことがらとの関わりを通して、自分を知っていくことができると思います。

自分を知って、もっと思い切り自分を表現したい。私は、自分を表現するために、そして、近くにいる人たちと共に何かを創り上げるために、生きています。自分を知らなければ、表現は内外からあまりにも制限されてしまいます。ですから、コーチングの過程では、常に新しい自分への気づきや発見が伴うことを求めます。

私のコーチであるハーレーンは、ときどき唐突に私に聞きます。「いま、どんなこと考えているの?」

明らかに私の視点は、私の内側に向けられます。それもとても愉快に。

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