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夢を聞く

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コーチ・トレーニング・プログラム(以下CTP、現在のコーチ・エィ アカデミア)を開始して、来年で10周年を迎えます。これまでに、5000人以上の方がこのプログラムに参加されました。

先日、福岡で行ったコーチング・プログラム説明会の中で、参加者のNさんから成果の事例をお聞きしました。その事例がとても印象的だったので、ご紹介したいと思います。

Nさんは、熊本県在住の40代の女性。地方銀行で融資の営業を担当しています。

「私にとって営業の数字をあげることは、それほど難しいことではありません」

Nさんは、CTPに参加し始めてから現在までの2年間、営業担当地域で成績トップの座を守り続けているといいます。Nさんに、コーチングをどのように活かしているのかを聞きました。

桜井 「コーチングを学ぶ前と後では、どのような違いがありますか」
Nさん「コーチングを学ぶ以前は、数字を上げることばかり考えていて、ストレスが高かったですね。今は、数字のプレッシャーを感じることはほとんどありません。毎月、楽してトップをとっているという感じです」

桜井 「具体的に何が違うのですか」
Nさん「一言で言えば、相手の話を聞けるようになりました。私の仕事は、担当地域に出向いて融資を取ることです。お客様のほとんどは中小企業の社長。以前は、自分の担当している商品を売ることで頭がいっぱいでした。いかにして自分が話し始めるかばかり考えてましたから、相手の話なんかぜんぜん聞いていないわけです。今は、社長さんの夢を聞いている。毎日、社長さんに会って、その人の夢を聞く。話している社長さんもとても楽しそうですし、聞いている自分も楽しい。夢を聞いているだけで、営業の数字が上がります」

そんなに簡単にいくとは思えません。私は思わず聞きました。

桜井 「本当ですか? 夢を聞くだけで、なぜ、数字が上がるのですか」
Nさん「私の担当は住宅ローンなのですが、銀行には人生のあらゆる場面に対する商品があります。教育ローンもあるし、自動車ローン、個人年金のローンもある。たくさんの社長の夢を聞いていると、どこかでそれが当てはまる。だから自然と数字が上がっていきます。実際に、この2年間、コンスタントに数字が上がり続けているんです」
桜井 「なるほど、それは素晴らしいですね。コーチングのトレーニングが、どのように機能したのか教えてください」
Nさん「聞くスキルを身につけられたこと。何よりも、多くの人とのロールプレイを行ったことで、徐々に人の話を聞けるようになったのだと思います」

現在、マネジメントだけではなく、教育や医療など、さまざまな場面でコミュニケーション能力の重要性が問われています。コミュニケーション能力が仕事の出来を左右するといってもよいでしょう。そして、コミュニケーション能力を向上させるもっとも効果的な方法は、ひたすらトレーニングを積むことです。

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