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会社を衰えさせない

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私は以前から、アンチエイジングというコンセプトに非常に興味があります。

今年の9月、『若返る人』という本を書いたヘンリー・ロッジ氏に会う機会がありました。彼は進化生物学という分野で活躍している医師で、やはり、加齢による体力の衰えには それなりに抵抗できるという考え方をもっています。

彼は、簡単に言えば、人間の脳や身体には、衰えのスイッチと成長のスイッチがあると考えています。そして、彼は、どうすれば成長のスイッチを入れることができるかについて研究を続けてきました。

ロッジ氏は、脳と身体に送る成長の信号として、運動を挙げます。それも漠然とした運動ではなく、心拍数を、(220-年齢)×0.7~0.8まで上げる運動。 その状態を、最初は5分程度から始め、やがて1時間程度保っていられるようになることと言っています。 彼曰く、それは脳と身体を「成長のモード」へスイッチする信号なのだそうです。

私はやや血圧が高いのですが、彼の言葉を聞いて、週に最低4日、ジムで走り始めました。およそ2週間後、血圧が平常のレベルに戻りました。 ロッジの言っていることは、少なくとも私の身体では証明されました。

私は、会社にもアンチエイジングというコンセプトが当てはまると考えています。創業年数とは関係のない、会社の雰囲気やエネルギー。 それが老化していくことを、どう防ぐことができるのか、というのは、非常に興味深いテーマです。

昨年、WEEKLY COACHの読者の方々のご協力を得て、「会社の年齢」に関する調査をしました。年齢を、少年、青年、壮年、中年、老年の5段階に分けて、いま自分の会社はどの年齢にあると思うか、そしてその理由はどういうものか、ということに関する調査で、その結果は大変興味深いものでした。

私は、人間の脳や身体と同じように、脈拍数を上げることで、身体に信号を送るように、組織に対しても、成長のスイッチを入れる信号があるのではないかと考えています。

もしかしたら、会社全体のスピードを上げること、たとえば会議の時間を短縮したり、決済までの時間を短くする、とか問題が起こってから対応するのではなく、問題は自分たちで起こしてしまう、といったことが、会社の老化を止めるためのスイッチになるのかもしれません。

コーチをしていて、「自分ひとりががんばっても、会社組織の中ではなかなか思うようにはやれないものだ」という言葉を耳にすることがあります。それを言うのは社員ではく、社長です。彼らは、ちょっとした無力感を感じていると言います。

会社の老化は、ひとつに無力感の程度に現れるように思います。いかにしたら個人と組織が無力感から抜け出すことができるのか、または、どれだけ可能性に向かうことができるのか、ということは、コーチングの大切なテーマです。

加齢は止められません。しかし、衰えはコントロールできます。人が思い込みから自由になれるように、会社も今の枠を超えて、衰えを止め、若返ることが可能だと思います。 また、私たちはそういう会社で仕事をしたいと思っています。

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