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行動を変える伝え方
コピーしました コピーに失敗しました先日、夜の9時過ぎに帰宅したときのことです。
大通りから自宅へ向かう路地を曲がると、10mぐらい前にショートパンツにロングブーツ、流行の真っ白なニットのハーフジャケット......ファッション雑誌そのままの若い女性が歩いていました。近くのアパートに住んでいるのかなと思ったら、なんと自宅の玄関に入っていくのです。一瞬目を疑いましたが、それはまさに自分の娘でした。
中学3年になる私の長女は、最近お洒落に余念がありません。父親から見ると派手過ぎると思えるいでたちを、何とかしたいと思うのですが、変に言うと余計に加速しそうなので、躊躇してしまいます。
少し考えて、こう言ってみました。
「今のその格好って何を目指しているの?」
すると「可愛いから」「エビちゃんみたいに」 などと即座に答えが返ってきます。なるほど。彼女なりの目標があるらしい。
「そうか、エビちゃんを狙っているのね。だったら言ってもいいかな?」
「え、何?!」
そこで初めて「エビちゃんはそんなに、おへそを出していないんじゃない?」と伝えると、娘は「うそー?!」と言いながらも、素直におなかの出し方を少し控えめに直し始めました。
コーチングでは、目標へ向かう軌道を修正するために、相手の言動に対して気がついたことを伝えることを「フィードバック」と呼んでいます。フィードバックを効果的に行うためには、ふたつのポイントがあります。
一つ目は、目標の共有ができていること。娘の目標を聞き、それに添う形で言葉を発したことで、私の言葉は彼女にとって小言や注意ではなくなりました。もし最初から「なんだ、そのおなかの出し方は! おへそを出すのはやめなさい」と言ったら、「うるさいなぁ」の一言で終わったかもしれません。
二つ目は、相手にフィードバックを受け取る用意をさせるということ。「そのことについて思ったことがあるけど、言ってもいい?」などというように、フィードバックを伝える前に許可を得ます。自分にとって役立つかもしれない情報を拒否する理由はありません。 内心は「えーっ?!」と思いつつも、 相手はこの一言で聞く準備をするのです。
コーチングは、相手を思い通りにするための技術ではありません。相手が持っている目標を達成するためのサポートがコーチングなのです。そのことが伝われば、相手は気持ち良くあなたの言葉を受け取るに違いありません。
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